皆さんは、シンガポールのネット通販事情に対して、
どんなイメージを抱いていますか?
わずか2年で楽天が撤退してしまった、シンガポールですが、
楽天の撤退時のメッセージのように、本当に
シンガポールのネット通販は、参入する面白みが少ない市場なのでしょうか?
本日は、日本の皆さまにはあまりなじみのない、
シンガポールのインターネットによる通販事情をご紹介させて頂きます。
シンガポールの主なネットショッピング会社
インターネットの普及率やスマホの保有率は、
日本以上でありながら、インターネットによる通販となると、
未だ歴史的にも日が浅く、市場の大きさからも
日本には全然及ばないシンガポールであります。
但し、インターネット通販人口は確実に増えています。
シンガポールの大手ネット通販会社は
売り上げを着実に伸ばしながら、シンガポールをヘッド・クオーターとして、
東南アジアの各国へ市場を広げています。
それでは、シンガポールでメジャーなネット通販会社をご紹介いたします。
Qoo10
2008年、シンガポールのネット通販市場に他社より一歩先に登場したのが、
こちらのQoo10(キューテン)です。
Qoo10は、ジオシスグループ(Giosis Group)がアジア地域において展開するインターネット通販サイトです。
シンガポール人の間での認知度は高く、
シンガポール国内では最もユーザー数の多いネット通販会社となっています。
少し、古い情報になってしまいますが、
シンガポールの会員数は、2015年1月現在で175万人という事です。
シンガポール、日本、インドネシア、マレーシア、中国、香港の
計6地域においてインターネットショッピングモールを運営しています。
Qoo10の特徴の一つに、販売者は一つの国だけでなく、
各国のQoo10サイトにも掲載することができる事があげられます。
希望すれば、一度に6か国に商品を紹介する事が可能です。
サイトの印象は、楽天をもっとゴチャゴチャさせたイメージでしょうか?
生活雑貨、衣料品、化粧品など、
比較的低価格な商品の扱いが多いのが特徴です。
リステリン(1000ml)が3本でSGD14.9(約1200円)は安いですね(笑!
Lazada
Lazadaグループはドイツのインターネット会社ロケットインターネットの出資により、
2012年、シンガポールに創設されました。
このロケットインターネットという会社、
ものすごい数の「クローン会社」を創設しています。
その中で、Lazadaは所謂アマゾンのクローン。
2014年にLazadaグループは、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、そしてベトナムでオンラインショッピングを開始。
2016年の4月に、10億ドルでアリババにより買収されました。
2017年3月、Lazadaは中国のタオバオと提携。
シンガポールでも以前から人気のあった、タオバオですが、
それまではエージェントを経由するか、
中国から直接取引をしなければいかなかったものが、
今回の提携で、直接購入が可能になりました。
Qoo10のページと比べると、こちらはやや落ち着いた感じ。
タオバオが全面に押し出されているのが、目につきますね。
グーグルで、商品の検索をすると、必ずLazadaの広告が上位に現れます。
なので、自然とLazadaで何かを買ってしまう機会も多いです。
取扱商品は、アマゾンのクローンというだけあって、
衣料品から家電まで幅広く取り扱っています。
ZALORA
Zaloraは、ファッションに特化した通販サイトです。
シンガポールで開設されたのが、2012年。
シンガポール以外では、マレーシア、香港、フィリピン、ベトナム、インドネシア、オーストラリア、タイで通販サイトを展開しています。
自社のオリジナル製品の他、日本でもおなじみのトミーフィルガーや
カルバンクラインなどのブランドも扱っています。
同じ衣料品でも、Qoo10などが扱っているものよりは、
ファッション性の高い、比較的高価格帯の製品を取り揃えているようです。
Reebonz
通販サイトの中ではシンガポールで一番古くからあるサイトです。
2009年にシンガポールに開設されました。
シンガポール以外では、マレーシア、香港、マカオ、フィリピン、ベトナム、オーストラリア、台湾、アメリカ合衆国、カナダで展開をしています。
取り扱っているのは、バッグ、アクセサリー、時計、宝石、靴の新品と中古品。
その中でも、比較的高級なブランド品を取り扱っています。
2013年5月には、シンガポールのテレビ事業を行っている、
MediaCorpより約40億円の投資を受けています。
2014年3月には、郵便事業を行っているSingPost が運営する、
競合のClout Shoppe を買収しました。
Qoo10やLazadaのトップページと比べると、大分雰囲気が変わっていますね。
Redmart
最後にご紹介するのは、オンライン専用のスーパーマーケット、レッドマートです。
開設されたのは、2011年。
上記の4サイトとは異なり、シンガポール国内のみの営業となっています。
また、自社倉庫を持ち、直接消費者に商品を届けるという、独特なスタイルで営業を行っています。
ソフトバンク系の投資会社や、シンガポールに移住したことで話題を呼んだ、
フェイスブックの共同創始者、エドゥアルド・サベリン氏などが出資をしています。
いずれは、東南アジアの他の国々にも同様のビジネスの展開を計画中だそうです。
会員登録が手軽な事や、スーパーと比べてもお得な値段設置などから、
欧米の駐在員や、日本人の駐在員の奥様達にも人気の高いサイトです。
*Redmartは2019年3月Lazadaに吸収され、
現在はLazadaのアカウントでRedmartを利用することになりました。
シンガポールの通販サイト、あなたはどんな印象を受けましたか?
日本と比べると、品揃えやデザイン的な面でも、
まだまだという感じがしませんか?
もしかしたら、これがアジア人の好むサイトのデザインなのかもしれません。
シンガポールの通販サイト、特にファッション系の特徴としては、
消費者は、サイトに訪れるよりも、
携帯の専用アプリからの買い物の方が多いようです。
日本のゾゾタウンが運営するアプリ、”WEAR”はシンガポールを中心とした、
東南アジアでも英語版を展開しています。
売上高を見ると、日本の市場とは、大きな開きがあるものの、
東南アジアの中では大きな割合を占めている、
シンガポールのネット通販市場。
こうやってシンガポールの中や、アジアで勢いのあるサイトを見ていくと、
・もともと、シンガポールで設立されたベンチャー企業が多い
・運営後、投資家からまとまった資金援助を得ている
・大手のEC企業等による、買収が頻繁に行われている
など、多くの共通点が見つけられます。
日本とは、性格の異なったシンガポールの市場ですが、
ここから大きく羽ばたいて、
アジアを制するサイトになるのはどこでしょう?
これからも、シンガポール、
そしてアジアでのネット通販サイトの将来を
チェックしていきたいですね。
追記
2017年7月27日ついにAmazonがシンガポール上陸!
シンガポールにもついにAmazonが上陸しました!
ネットスーパー大手のレッドマートと送料無料の購入額(S$40)や通常の配達料(S$5.99)を同額にするなど、完全に先発のライバルを意識しています。
最短の発送時間は、注文から2時間と、
翌日15時以降のレッドマートより優位に立っていますが、
料金は依然レッドマートが優勢。
これからこの市場どう変わって行くか楽しみですね。
当社ではシンガポールヘ進出される企業の皆様、
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