シンガポールでの法人化は本当に必要か?-頂いたご質問への返答

Manne1409 / Pixabay

本日は当社に寄せられた、ご質問にお答えします。

 

これまで頂いた、
法人設立に関するご質問への回答には、
シンガポール支店設立を手伝ってくれといわれました。ー当社に頂いたご質問から。
その、シンガポール法人設立、本当に意味がありますか?
などがあります。
こちらも、併せてご覧下さい。

 

頂いたご質問内容

現在日本で、まつ毛のエクステのサロンを主催しております。
同時に施術の指導も行っております。

3年ほど前から、年に一回程シンガポールに招かれてエクステ施術のレッスンを開催するようになりました。

現地での労働許可の申請や会場手配等は、全て現地の主催者側に任せております。

過去のレッスンから得られた感触から、今後シンガポールで本格的に事業を展開したく思い、シンガポールでの法人設立、就労ビザ取得、固定のレッスン会場の確保等の検討をはじめました。

現状では、現地での従業員の採用は考えておらず、シンガポールに常駐するわけでもありません。
現状では、2-3か月に一度、3,4日程度の滞在を考えております。

最適な法人形態、就労ビザの種類、必要なステップ、初期費用やランニングコストをご享受下さい。

 

ご質問への回答

それでは回答させていただきます。

まず、この方はなぜシンガポールに現地法人を立ち上げたいと思っているのか。
本当はこのあたりを、もう少し深く質問させて頂きたいところですが…

ご質問頂いた内容に
2、3ヶ月に一度、3,4日程度の滞在とあります。

生徒さんの数や講習費用が不明なので、ひと月の売上額がわかりませんが、
ご予定されているビジネスが、
果たして法人を登記してまで行う規模なのかと言う疑問が、ここで湧いてきます。

 

ホテルの費用や会場費、そして渡航費を差し引くと、
一回の開催で、数百万の売上がたとえ出たとしても年間にすると、多分1千万円に届くか届かないかというところでは無いでしょうか。

もし、このレッスンはあくまでもシンガポール進出のステップでその後大きくビジネスを展開されたいと言うのであれば、
まあ、早めに法人設立してしまっても良いのかなあとは思いますが…

ただし、注意して頂きたいのは、
シンガポールで生じた利益をどうやって日本に戻すかと言うことです。

シンガポールで就労許可を取得しない場合は、給与の支払がシンガポールではできません。
役員報酬を外国在住の取締役に支払う場合は、まず20%の源泉徴収を行い(法人が政府に納税)その後、日本で申告を行う形になります。

シンガポールの法人の利益を他のビジネスへ再投資という計画があるならば、日本の税率より有利なシンガポールでビジネスを行うと言う選択肢はあります。
但し、年間数千万に満たない売上では、再投資できる程の利益が生じるとは考えにくいです。ごくごく小規模なビジネスを、シンガポールに在住しないで行うというメリットを見出すことは、残念ながらとてもむずかしいです。

しかし、なぜみなさんそんなふうに外国への法人設立を簡単に捉えるのでしょうか…

 

さて、ここまでは、ご質問にきちんとそった返答ではなかったので、
改めてご質問に返答致します。

 

最適な法人形態

会社の規模からいいますと、有限責任会社(PTE.LTD.)となります。

シンガポールの事業形態について詳しくお知りになりたい方は、
シンガポールの事業形態についてー支店、法人、駐在員事務所設立
をご覧下さい。

 

 

就労ビザの種類

会社を設立してそこから就労許可を申請するのであれば、エンプロイメント・パスが必要です。取締役として、エンプロイメント・パスを取得するには、最低でも$8,000程度の月収が必要となります。併せて、就労ビザを取得するには一定額の資本金が必要です。
又、仮に就労許可を取得しても、当地での住所がない場合は色々な不都合が生じます。

 

必要なステップ

頂いた質問の中に、必要なステップとあります。このステップとは法人設立に必要なステップを指しているのでしょうか?

その場合は下記のブログをご覧ください!
シンガポール会社設立の手順をステップ・バイ・ステップで分かり易くご説明

 

初期費用

初期費用としてあげられるのが、法人設立の際に支払うサポート費用です。

会社設立の初期費用は各サポート会社によって異なりますが、
法人設立サポートが費用は、$1500から$6000程度
これに取締役、秘書役、登記住所提提供、銀行口座開設サポート費用などが加算されます。

一般的に
ローカルの会計事務所→ローカルのサポート会社→日系の会計事務所やサポート会社(シンガポールの現地法人)→日本にある会計士事務所等の順で価格は高くなります。

 

ランニングコスト

今回の場合、シンガポールで従業員を雇わずオフィスも構えないということなので、最低限のコストとしては、以下のものが必要となります

登記住所
$10から$100ローカルの会社で本当に郵便を預かってもらうだけという会社から、転送サービスのある会社までサービス内容によって価格が異なって来ます。

現地の暫定取締役
法人登記する場合、現地の暫定取締役を選定する必要があります。
ご本人が就労許可を取得すれば暫定の取締役は不要となります。

会社秘書役
シンガポールでは、法人登記後6ヶ月以内に会社秘書役を選定する必要があります。
秘書役の業務は、日本での行政書士さんが行う業務に近いと思って下さい。

法人設立後の経費に関しては…
シンガポールに会社を設立したら、1年で一体どれくらいの経費がかかるのでしょうか?
を参考にして下さい。

 

年度末の会計費用及び政府への会計報告

日本のように毎月税理士さんと顧問契約を結ぶ必要は、小さな規模の会社では必要ありませんが、年度末には、政府へ会計報告を提出する必要があります。
費用は、会計のボリュームや依頼する事務所によっても異なりますが、数千ドルの予算は必要です。

 

結論

事業規模や将来の計画にも依りますが、
現在の状況では、毎月かかる費用などを考慮すると、シンガポールに法人登記するメリットはあまり見いだせません。

現状のように、招待されて年に何回かシンガポールでお仕事をされるか、
あるいはビジネスを始めるのであれば、年に数回の講座ではなく、
きちんとしたビジネスプランを構築して、シンガポールに在住してビジネスを始める
事をオススメ致します。

 

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