シンガポールの税率が日本より、有利と感じられる最低売上金額は?

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今回は、シンガポールでの法人設立に関して頂いたご質問へ、
この場で返答させて頂きます。

以前も
「その、シンガポール法人設立、本当に意味がありますか?」で、
間違ったシンガポールでの法人設立に対する考え方に対して、
ご説明させて頂きましたが、
いろいろな情報が氾濫しているからなのか、
どうしてそんな解釈になってしまうのだろうと思う、
ご質問が多く見受けられるので、
もう一度、シンガポールでの法人設立に関して、
お話させて下さい。

なぜシンガポールに法人を設立する必要があるのか?

シンガポールに法人を設立したからと言って、
すべての法人にとって、恩恵があるわけではありません。

やはり、一番恩恵をうけるのは、日本でかなりの利益を上げている企業。
*売上ではなく、利益です!
しかも、日本にHQがなければいけない、強い理由がない企業にとっては、
節税という意味で、シンガポールは魅力的な国であると言えます。

一体いくら利益があれば、シンガポールに法人を設立した方がよいのか?

今回、年間の売上高が1500万円程度のビジネスを日本で行っているので、
節税になるのなら、日本からシンガポールへ移住されたいとのご相談をいただきました。

年間の売上が1500万円のビジネス。
月間の売上と間違ってのご質問ではないのでしょうか?

月間の売上が1500万円程度、さらに利益率が高い業種であれば、
シンガポールに法人を移せば、相当額の節税が見込めると思います。

年間の売上が1500万円では、法人を立ち上げるほどの、規模では無いと思うのですが、
もし、ご質問頂いた売上が月間ではなく、年間売上だった場合のご質問にお答えするために、
ここでは、ご質問頂いた方のビジネスが、純利益が90%以上のものと仮定します。
(オフィスも持たず、人も雇わず、かつ利益率の高いビジネスでも、中々90%は難しいと思いますが…)

毎月の利益は、120万程度になるはずです。
そうなれば、一応シンガポールで外国人のご家族が生活していくギリギリのハードルはクリアになると思います。

シンガポールでの一ヶ月の生活費については、

「家族でシンガポールに移住したい!でも、生活費は一体いくらかかるのだろう?そんな疑問にお答えします。」

のブログを参考にして下さい。

こちらの、ブログでご説明させていただいている通り、
シンガポールでごく普通の生活を送ろうとした場合、
高い、不動産価格を考慮して、
月額、70万円から80万円の支出を見越しておいたほうが良いと思います。

会社から給与として、月に100万円程度をもらうことにすれば、
個人の所得税は、10%程度なので、まあ、派手な生活を送らなければ、
数十万円は貯蓄に回せる計算になります。

シンガポールは日本に比べて、かなり有利な金融商品があるので、
それをうまく運用すれば、日本で貯蓄するよりはマシですが、
原資が小さいので、それほど大きな資産形成は望めません。

続いて、下記頂いた質問にお答えしていきます。

①節税について

・年間での売上高や経常利益がいくらを超えると、節税の観点ではお得になるのでしょうか。

答え
一言で返答するのは難しいです。企業の利益だけを見れば、
やはり、法人税率の安い国のほうが有利です。
ただ、外国人が外国で法人を設立する場合(しかも個人事業主に限りなく近い形態で)
は、売上が低ければ、経費が利益を圧迫する度合いが、
自国で法人を立ち上げた場合より、強く感じるのではないでしょうか?

それに、多分質問をされている方は、企業としてというよりは、個人の事業家としての節税にフォーカスをしている印象を受けます。

となると、法人税だけでなく、
個人の所得税や、諸々の個人支出に論点を移したほうが良さそうです。

例えば、役員報酬を1億円、日本でもらっている方であれば、
やはりシンガポールにビジネスを移転させ、ご自身も移住される方が、
絶対的にお得になります。

キャピタルゲイン税のないシンガポールで、
日本で収めていた税金分を運用すれば、
多分その利子だけでも生活ができるレベルでしょう。

また、日本でのそれまでの生活レベルを考慮すると、
シンガポールの方が圧倒的にお得感があります。

方や、日本ではごく普通の生活をしている方がシンガポールに来ると、
物価が高く感じられます。

中程度の生活を送るのであれば、
世界の中でも、ダントツに物価が安いのは日本です。

実質の個人所得(個人として使えるお金という意味です)が3000万円程度であれば、
シンガポールに居住地を移すことにより、メリットを感じることができるのでは無いでしょうか?

②ファイナンスについて

1.シンガポールの法人設立の場合、対シンガポール・対日本での融資の条件や難易度は、一般的に日本で金融機関に対して行なう場合と異なりますでしょうか。

答え
法人設立と融資の関係がよくわからないのですが…

「日本で金融機関に対して」はもしかしたら、「日本で金融機関が、法人に対して」ということでしょうか?
どこからか融資を受けて、法人を設立、運営するおつもりでしょうか?
あるいは、店舗経営など、事業を始める際大きな資金が必要な場合を想定しているのでしょうか?
それならば、やはり1500万円は月間の利益を指すのでしょうか?

質問の趣旨がはっきりとは、わからないので、
融資という点に関してのみ、返答いたします。
日本は調達天国です。どの国も日本と同じようだと思わないほうがよいでしょう。

また、シンガポール(多分他の国でも)では、外国資本の実績のない法人に
資金を融資する銀行は無いと思って下さい。
資金調達がどうしても必要な場合は、金利の高い、日系のファイナンス系からの借り入れ、
あるいは、日本の法人がシンガポールに進出するという名目で日本の銀行や地方自治体、
融資を行っている行政機関などから借り入れすることが可能です。

2.株式による調達に関しては、特に日本において実施する場合と変化等ありませんでしょうか。

年間売上、1500万円の会社が資金調達というのは、よくわからないのですが、
株を購入したいという第三者が現れると仮定した、質問なのでしょうか?

日本において実施する場合とは、一体何を指すのかが、わからないので、
申し訳ありませんが、この質問に関しては、返答を控えさせていただきます。

もしかしたら、かなり辛口な返答になってしまったかもしれませんが、
ご質問者の会社の売上が、本当に年間1500万程度であれば、
シンガポールに住むメリットはあまりないと思います。

日本で、利益がなるべく上がらないよう、経費をたくさん使って、
税金の納付額を低く抑えたほうが、
シンガポールで生活するよりよいのではないでしょうか?

そういえば、日本では、
なぜか節税という名目でいろいろ無駄なものに費用を費やすようですね。

シンガポールへの移住をオススメするのは、
既に、大きな利益を日本で出していて、重税にあえぐ経営者の方々。
あるいは
シンガポールを窓口に、アジアでも事業展開を行って行きたい、経営者の方々
です。