海外に法人を作るなら、シンガポールと香港どちらがお勧め?

香港夜景

本日は、海外での法人設立についての話題です。
良くシンガポールでの法人登記と比較されるのが、
香港での法人登記。

海外での法人設立を考えた場合、
どの国に法人を設立するのがベストなのか。

何を基準に設立する国を決めればよいのか。
そんな疑問にお答えするため、シンガポールと香港を比較していきます。

目次

目的をしっかりと設定するー法人を作って何がしたいのか?

海外に法人を設立する理由は、人それぞれ異なります。

まずは、ご自身で「海外で法人設立する理由」をはっきりさせましょう。
それによって、法人設立に適した国の選択が容易になります。

海外に法人を設立する理由

あなたが海外に法人を設立したい理由は、
以下の中にありますか?

1. ペーパー・カンパニーを設立して、節税する。
-海外に住む予定は、特にはない。

2. とにかく、海外で起業してみたい。
-もちろん現地で生活する。

3. 海外で新規事業を展開してみたい。
-軸足はあくまでも、日本。
ただし将来移住の可能性もあり。

4. 日本での既存事業を更に発展させたい
-3と同様

5. 海外に法人を設立して、節税する。
-1.とは異なり、現地にて事業を行う。

6. 日本の将来が不安なので、海外に移住して、
既存の事業を海外から行いたい。
-もちろん現地で生活する。

7. 日本の将来が不安&重税に耐えられないので、
海外で暮らしたい。
-特に事業をするかは決めていない。
もちろん現地で生活する。

上記以外にも、
あまり、目的や戦略が決まっていないけれど、
とりあえず海外に法人を作りたいみたいな方も
おられますよね。

正直言って、
そのような気持ちで海外に法人を設立して頂きたくはないのですが、
海外での法人設立の理由は、
立場によって千差万別だという事です。

香港での法人設立が向いている人

さて、あなたがとりあえず海外に法人を作りたいな~って漠然と思ったら、
お勧めは香港です。

香港に法人登記をするメリットで、
シンガポールと大きく異なるのは、

「株主と役員は一人以上から、また、香港非居住者も株主や役員になれる。」点です。
*シンガポールも株主や役員は一人以上から法人の設立が可能ですが、
取締役の一人はシンガポールに住所がある必要があります。

また、営業税、消費税、住民税等の税金がありません。

という事は、実際に事業を行わない場合でも、
それほど多くの支出を必要としないという事です。

また、将来中国とのビジネスを視野に入れている方にも、
香港での法人登記はメリットと言えるでしょう。

そして、日本からもそれほど遠くないというのも、
手軽に法人を設立する理由の一つに挙げられると思います。

とりあえずだったら、香港!
ちょっと無責任な言い方ですみません。

後、もう一つ。
小規模の投資会社等の設立は香港がお勧めです。
シンガポールでは、ライセンスの取得等、
金融関係の新規事業に関してはハードルが、
年々高くなっています。

シンガポールでの法人登記が向いているのは?

方や、シンガポールでの法人設立が向いているのは、
どのような方でしょうか?

ある程度の資金が用意できる
資本金S$2で会社の設立は可能ですが、外国人がS$2で法人を設立しても、
法人の銀行口座開設が出来なかったり、もちろん就労許可の取得は無理だったりと、
色々な問題があります。
資金の準備無しで、事業を行っていくのは難しいです。

あくまでもペーパーカンパニーを設立するというスタンスならば、
S$2の資本金でも、かまいません。

但し、その場合でも、年間の経費は香港よりかかります。

計画している事業で、ある程度まとまった収入が見込める。
シンガポールでの法人設立のメリットは、
なんといっても法人税や所得税の低さです。
その、恩恵を受けるためには、
当地でのまとまった収入が見込めないと意味がありません。

まとまった資産があり、その保全や投資を考えている
シンガポールはキャピタルゲインに関して非課税。
さらに相続税もありません。

税率の低さや、相続税に関しては、
香港も同様ですが、やはり香港は中国の一部というリスクを背負っています。
資産保全という面ではシンガポールの方が有利だと思います。

シンガポールを起点として、アジアや他の外国への事業展開を考えている
シンガポールで事業を行うメリットの一つに、
立地の良さを挙げる事が出来ます。

各国へのアクセスの良さに加え、公用語が英語というのも、
グローバルな企業展開をしていく上では大きなメリットです。

また、各国の有名企業のHQがシンガポールにある事から、
企業のブランディングの面でもシンガポールに法人があるというのは、
ひとつのメリットと言えるでしょう。

実際にIT系のベンチャー企業が取引先の大手IT会社から、
シンガポールに法人を設立するようにとの指示があり、
当地での法人設立が必要になったケースもあります。

最後に、

これは実際、事業を行う事とは直接関係ないのですが、
香港、あるいはシンガポールにお住まいになる場合、
やはりその国が好きになれるかどうかという問題が、
かなり、大事な要素を占めると思います。

中国の影響を強く受けている香港が好きなのか、
あるいは、文化というものをあまり感じることはできないけれど、
治安が良くてのんびりとしたシンガポールが向いているのか。

シンガポールは国自体が小さくて、
すぐに飽きてしまうから住みたくないとか、
個人的な問題も生じてきます。

特にご家族での移住となると、
すぐに移住先を変更することも大変になってきますので、
じっくり、それぞれの国の利点と欠点を事前調査する事をお勧めいたします。

同じものを見ていても、
10人が10人感じることは異なると思うので、
人の意見はあまり気にせず、実際自分がどう感じるかという事を、
最終的には優先することが大切だと思います。

ただ、住めば都という言葉もあり、
ひょんなことからその国が好きになったり、
あるいは反対にもう、どうしても住みたくない!
という事態も起こらないとは限りません。

要は、それぞれの意識の問題が関係してくるのでしょう。

以前はシンガポールが嫌いで、香港にあこがれていた私ですが、
実際長い間住んでいると、
自分は香港向きではなく、
絶対にシンガポールだ!って思ってしまいますから…

おまけ

こちら、香港の法人登記がチェックできるサイトです。

シンガポールのACRAのサイトに比べると
ちょっと、古い感じが受けるのは私だけでしょうか?


シンガポールでの法人設立関連は、下記のブログも併せてご覧ください。

▶ シンガポールに法人を登記する事のメリット
▶ シンガポールに法人を登記する事のメリット・デメリット:まずはデメリットから。

香港夜景

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