シンガポールで従業員を雇う時、知っておきたい大切なこと

シンガポールでのローカルスタッフ雇用に関しての画像

本日は、シンガポールでこれからビジネス展開をしていくご予定のあなたの為に、
当地でローカルの従業員を採用する時に知っておいてほしい、大切な事柄と、
ローカルスタッフを見つける方法をご紹介させて頂きます。

目次

シンガポールで初めての現地スタッフを採用する時に知っておきたいこと

ビジネスを大きくしていくためには、良いスタッフを確保することが大切です。

でも、良いスタッフの確保なんて、日本でも大変な事なのに、
文化も習慣も違う外国で、見つけられるものなのでしょうか?

今回のブログでは、従業員の雇用に関して、
シンガポールと日本との違い。

そして、どうすれば、良いローカルスタッフを
雇用できるかについて、お話していきます。

まずは、日本との商習慣や考え方の違いを理解する

良く外国でスタッフを採用した人が
「◯◯人は全く使えない」みたいな言い方をしていることがあります。
これって一体なんなのでしょう。

ものすごく上から目線の言葉ではないですか。
でも、きっとこういう発言をする人って、
外国人を雇用する根本的な事がわかっていない。
というか、スタッフをきちんと指導することができていないだけではないでしょうか?

それから、
「日本だったらそうしない」とか「日本人だったらこうする」みたいな
コメントも良く目にします。

これも、自分や日本が標準になっていて、
全然グローバルな考え方ではない。

その国でうまくやって行こうと思ったら、
やはりその国を理解することは大切です。

そして、国民性を理解し、
その特徴を生かさなければいけないと思います。

もちろん日本には、良いところが沢山あります。

かつてのシンガポールは、
日本を手本に発展を遂げてきました。

確かに日本のやり方は、
他の国と比べて優れているところがあるのかもしれません。

だからと言って、
何から何まで日本のシステムを
シンガポールにスタッフに押し付けるのには無理があります。

柔軟な考えを持って、
ローカルスタッフに接することはとても大切です。

実はシンガポールでは、日系企業は雇用先として人気がない

2017年度、シンガポールの大学卒業生人気企業の1位はPWC、
2位は国内最大手銀行DBSで、
3位のEYはPWCと同じ、会計・コンサルの会社です。

それ以降には、国内の政府系企業や金融。
そして欧米の大企業などが続きます。

さて、このトップ100社の中に日系企業がいくつ含まれているでしょうか?

残念ながら、一社も含まれていません。

日本の企業が、シンガポールにないというわけではありません。
日本で有名な、大手日系企業は
ほぼ、100%シンガポールに進出をしています。

ちなみに、日本の大学生の就職希望先ランキングトップ企業の殆どは、
シンガポールに現地法人があります。

でも、そのような日系の企業でもシンガポール人にとっては、
人気の就職先ではありません。

日系企業の多くは、シンガポール人に重要なポスト与えることが稀なので、
人気のない理由かもしれません。
給与の面でも他の大手企業とは見劣りするのも、
大きな要因の一つです。

これが、未だ伸び盛りで、大手の国内企業がそれほど多くない
ベトナムのような国では、日系企業は人気かもしれません。

でも、シンガポールでは日系企業=ブランドでは決してないと言うこと。
しっかりと、頭のなかに刻んでおいて下さい。

生産性の低さでは、残念ながら先進国のトップを行く日本ですから、
給与面では欧米企業やシンガポールの大手企業とは大分開きがあるようです。

日系企業というだけで、シンガポール人が集まると思うのは、大きな間違えです。
ちょっとさびしいですが、それが現実です。

さて、次はいよいよ(?)
実際のシンガポールの雇用システムについて、ご説明させて頂きます。

シンガポールと日本の雇用に関する法律の違い

雇用関連で定められている法律も、シンガポールと日本では、
かなり異なります。

この違いは、ローカルスタッフを雇う前ににきちんとチェックしておくと、
従業員探しに役に立ちますよ。

個人的には、シンガポールの法律は、
雇用される側も雇用する側にも、極めてフェアだと感じています。

シンガポールでは、最低賃金が定められていない

結構、これに関しては間違った情報が氾濫しているので、
気をつけて下さい。

最低賃金が定められているのは、
外国人の就労許可取得に関してです。

シンガポール人を雇用する場合、
雇用法には最低賃金が定められていません。

だからといって、思い切り安い賃金で従業員を雇用しようと思っても、
応募する人がいないという、現実があります。

最低賃金の取り決めはありませんが、
就労時間はきちんと定められています。

規定時間をオーバーする時は、
残業代の支払いが必要となります。

給与水準に関しては、
一般的には大卒の事務系の職種は、日本以上の水準。

飲食やサービス業では、日本よりも低い水準と考えて下さい。

シンガポール人は残業をあまりしないと言う声を聞きますが、
残業代が払われない、管理職(一定の給与以上の人には残業代を払う義務は発生しません)でも、
結構自分の仕事の進度によっては、自主的に残業をしています。

残業に対する姿勢や考え方が
日本とシンガポールでは異なるだけだと思います。

解雇に関しての規制がない

日本では、よっぽどの理由がない場合は従業員を解雇するのは難しいです。

でもシンガポールでは、
通常1ヶ月前の事前通告により、従業員の解雇が可能です。

要は、会社がその人を必要としないと思えば解雇が出来るという事です。
日本に比べると、結構シビアですが、
解雇される側もドライに考えているのではないでしょうか?

ここでグズグズとしてしまうのが、日系企業の特徴です。

雇用契約書は就業規則の作成義務がない

日本の雇用法でも、雇用契約書の作成は義務化されてはいませんが、
殆どの企業ではきちんと契約書を作成、
就業規則も細かく定められているはずです。

シンガポールの場合も、書類の作成は義務化されていません。
解雇時の通告についても、letterを発行すればよいだけで、
義務とはなっておらず、
雇用法を守れば問題のないものとなっています。

但し、雇用契約書や就業規則が明確化されていないと、
後々揉める恐れがあります。

きちんと専門家のアドバイスのもと、
各種書類の作成を行うことをお勧めします。

作成義務がないからと言って、
おざなりにしてしまうのはとても危険です。

なれない外国だからこそ、雇用契約や就業規則の作成は必須です。
また、作成は日本以上に慎重に行うことをお勧めします。

従業員の事をきちんと考えた、就業規則を持っている会社は、
従業員の定着率も良いし、
きちんとした従業員が集まる確率が高いです。

外国人を採用する場合は、シンガポール人の雇用数が基準となる

外国人の就労人口の増加が、そのまま国の人口増加に反映されているようなシンガポールですが、
年々外国人の就業に対してのハードルは高くなってきています。

シンガポール人の従業員数が一定の割合に達しないと、外国人を雇うことは出来ません。

*但し、エンプロメントパス保持者はシンガポール人の従業員の一人は関係無く、
何人でも雇用することが出来ます。

日本から来た人に取っては、かなり不思議な事に感じるかもしれませんが、
タイや他のアジアの国々ではローカルスタッフ◯◯人に対して日本人◯人のような
厳格な取り決めがある国も少なくありません。

そのような国と比べるとシンガポールは、
未だ外国人採用に関してはそれほど厳しい国ではありません。

但し、単純作業を行う労働者の外国人枠は年々厳しくなっているようです。

下記に外国人雇用に関連するサイト(英語)のページのリンクを貼っておきます。
ご興味のある方は、チェックしてみて下さい。

ワーパミやSパスの割合やそれに関わる税金を調べる
How to calculate your quota and Levy Bill

シンガポール人と外国人従業員の割合に問題がないかがチェック出来る割合計算表
Calculate foreign worker quota

シンガポールと日本の雇用の違い

日本 シンガポール
雇用契約方法 署名・口頭いずれも可 署名・口頭いずれも可
*労働基準法に基づき、一定の労働条件の明示義務あり。
最低賃金 各都道府県により制定 無し
労働時間 1日8時間、週40時間以内 1日8時間、週44時間以内
解雇予告通知  30日以上前に通告  雇用契約書に従う。通用は1ヶ月以上前
解雇理由の明示 労働基準法に準じる 特に定めなし

どうやって、ローカルスタッフを採用するか

それでは、実際にどうやってローカルスタッフを見つけるかの方法についてご紹介致します。
業種によってもスタッフに見つけ方は異なりますが、
ご自身の会社に最適な方法を見つけて下さい。

1.人材紹介会社に依頼する

大手の日系企業で一般的な、ローカルスタッフの採用方法と言えば、
日系の人材紹介会社の利用です。
最近では、多くの日本大手人材紹介会社がシンガポールに進出しています。

利点:比較的良い人材が確保し易い。
求人にかかる時間を節約することができる。

欠点:コストが高い (日系の場合は、給与の3ヶ月分をコミッションとして支払う場合が多い)
企業に興味があって応募するというより、
給与自体に興味がある人材の応募が多い。

2.人材紹介のWEBサイトに登録する

最近増えてききているのが、オンラインによる人材の募集です。
仕事を探している人と、企業をマッチングさせるサイトが沢山あります。

但し、英語のサイトばかりなので、
求人の際の文章作成には気をつけて下さい。
求める人材にきちんと訴求した応募をすることが大切です。

利点:コストが安い。(無料の場合もある)
多くの人にアプローチすることが出来る。

欠点:人材のレベルがバラバラなので、見極めが大切になってくる。
1.より時間がかかる。
サイトに登録するには英語力が必要となる。

下記にシンガポールの主な人材マッチングサイトをご紹介しておきます。

JOB STREET 

3.自社のホームページで人材募集の広告を出す

比較的多くの人の目に触れるホームページをお持ちの会社であれば、
自社のサイトからの求人も有効です。

こちらも、ターゲットをしっかりと
定めた訴求が重要となるでしょう。

利点:会社自体に興味を持ってくれる人が応募する可能性が高い。
自社が求めている人材に直接アプローチが出来る。

欠点:ホームページが一般の目に触れないと、応募者の数が期待できない。
求めている人材にアプローチするには、広告に工夫が必要になる。

4.自社のFacebookを利用する

3よりは手軽に、且つ自社が求めている層に直接アプローチが出来る方法です。
シンガポールでは日本以上にFacebookが盛んです。

利点:自社のファンページ以外に、
広告での告知も可能なので、
多くの人にアプローチができる。

利用の仕方によっては、多くの求人が期待出来る。

欠点:興味本位で応募してくる人が多い可能性がある。
自社のホームページ同様、求めている人材にアプローチするには、
広告や告知方法に工夫が必要となる。

5.LinkedInを利用する

Facebookと比べると日本では、認知度があまりないLinkedInですが、
欧米では仕事を探す時に結構利用されています。

シンガポールでもビジネスパーソンは
ほぼ、100%LinkedInのアカウントを持っているのではないでしょうか?

製造業での単純作業労働者や、
飲食店などのホールスタッフ以外の人材を探している時は、
意外にこちらもお薦めです。

利点:自社が求めている人材に直接アプローチが出来る。
比較的優秀な層からの求人が期待出来る。

欠点:日本人にはあまり馴染みがないので、
利用方法に戸惑うことがあるかも。
ターゲット設定をきちんとおこなう。英語力が必要。

5.ヘッドハンティング会社を利用する

シンガポール現地法人のトップを探している時のように、
高度な人材の雇用には、ヘッドハンティングが有効ではないでしょうか。

シンガポールのローカルのヘッドハンティング会社以外にも、
世界的に有名なHudson、Robert Waltersなどもシンガポールにおいて事業展開をしております。

利点:会社の責任者のような重要なポストの人を効率的に探すことが出来る。

欠点:費用が高い
すぐに見つかるとは限らない。一般の社員向けではない。

最後に

シンガポールで、ローカルの従業員を探している方、
あるいは雇用予定の方の参考になったでしょうか?

以前と比べると、求人方法も多岐に渡って来ました。
探しているスタッフの役職、そしてどんな人に来てほしいかを明確にして、
それぞれの求人方法を使い分けると良いと思います。

次回は、今回説明しきれなかった、
「シンガポールの従業員と外国人の割合」についてもう少し詳しく取り上げてみたいと思います。


当社ではシンガポールヘ進出される企業の皆様、

また移住をお考えの皆様のサポートをさせて頂いております。

当地での移住をご検討中の方は、

シンガポール移住サーポートのページを

そして、会社設立等については、

シンガポールビジネスサポート

も併せてご覧下さい!

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