イギリスのタイムズ・ハイヤー・エデュケーションの2019年大学世界ランキングが、
今年も発表されました。
タイムズ・ハイヤー・エデュケーションとは?
タイムズ・ハイヤー・エデュケーションとは、
イギリスの日刊新聞、ザ・タイムズが
新聞の付録冊子として、毎年秋に発行している教育情報誌です。
世界的に、最も有名な大学のランキングの一つで、
世界の主な有名大学は、この指標をかなり意識しています。
2017年からは、ベネッセをパートナーとして、
THE世界大学ランキング日本版も発表しています。
躍進する中国の大学
2016年から2018年まで、アジアでは首位だったシンガポール大学が、
今回は、中国北京の清華大学にその座を明け渡してしまいました。
清華大学は昨年の30位から8位アップの22位。
清華大学のスコア・アップの一番大きな要因は、
99.8%というハイスコアのIndustry Income。
リサーチに関しても、世界6位の94.1%
多額の資金が敎育に関して、動いていることがわかりますね。
それでは、上位23位までの、ランキングを見ていきましょう
2019年度 THE世界大学ランキング TOP 23
順位 | 大学名 | 国 | 昨年比 |
1 | オックスフォード大学 | UK | 1→ |
2 | ケンブリッジ大学 | UK | 2→ |
3 | スタンフォード大学 | USA | 3→ |
4 | マサチューセッツ工科大学 | USA | 5↑ |
5 | カリフォルニア工科大学 | USA | 3↓ |
6 | ハーバード大学 | USA | 6→ |
7 | プリンストン大学 | USA | 7→ |
8 | イェール大学 | USA | 12↑ |
9 | インペリアル・カレッジ・ロンドン | UK | 8↓ |
10 | シカゴ大学 | USA | 9↓ |
11 | スイス連邦工科大学チューリッヒ校 | スイス | 10↓ |
12 | ペンシルベニア大学 | USA | 10↓ |
12 | ジョンズ・ホプキンス大学 | USA | 13↑ |
14 | ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン | UK | 16↑ |
15 | カリフォルニア大学バークレー校 | USA | 18↑ |
16 | コロンビア大学 | USA | 14↓ |
17 | カリフォルニア大学ロサンゼルス校 | USA | 15↓ |
18 | デューク大学 | USA | 17↓ |
19 | コーネル大学 | USA | 19→ |
20 | ミシガン大学 | USA | 21↑ |
21 | トロント大学 | カナダ | 22↑ |
22 | 清華大学 | 中国 | 30↑ |
23 | シンガポール国立大学 | シンガポール | 22↓ |
上位の大学のランクは、多少上下があるのものの、
毎年、大きな変化はありません。
一気に8位の躍進をした、清華大学の動きが
いかに大きなものなのかが、
この表を見ると、再認識させられます。
上位50位以内にランクインした、アジアの大学は、
清華大学とシンガポール大学以外では、
北京大学(31位)香港大学(36位)東京大学(42位)
香港科技大学(46位)の4校です。
東京大学は、昨年46位から4位順位をあげたものの、
世界の200位以内に入った日本の大学は、
東大と京大のわずか2校。
ちなみに、200位以内には、
中国が7校、韓国と香港が5校ランクインしています。
香港は、あの国土の広さで5校です。
韓国では、私立校も検討している様子。
日本の大学のレベル低下というか、
うちにばかり目を向けている日本と
世界を対象にしているアジア各国。
大きな差をつけられています。
国内ばかりに目が行く日本
日本の多くのメディアは、世界ランクの発表よりも、
国内大学ランクインを特集するのが、お好きなようです。
もちろん、もっと上位に日本の大学が多ければ
取り上げ方も変わってくるのでしょうが…
世界ランキングトップ1000(1000ですよ、100ではありません!)で、
日本が世界2位になった事を大きく取り上げています。
少し、調べてみると、
200位から400位に日本の大学は、4校(大阪大学、東北大、東京工業大学、名古屋大学)
しかランクインしていません。500位まででも、11校です。
ということは、トップ1000のうち、
殆どの大学が、500位以下のランクだと言うことです。
日本のランクイン校の増加数「14」は今回、アメリカに次ぐ2位で、東京大学と京都大学がそろって順位を上げたことと合わせてTHEから賞賛されました。
称賛されるほど<すごいことなのでしょうか…
馬鹿にされているのではありませんか?
更に前述した、日本語版ランキングについては、
下記のような記載がありました。
世界版ランキングでは「研究力」を軸に据えているが、日本版ランキングは、日本の教育事情により即した形で大学の魅力や特性が表れるように、大学の「教育力」を測る設計となっている。
これって、ちょっと斜め視線から見ると、
研究力はどうでも良いと、取れなくもないですね。
日本の多くの大学が抱えている問題は、研究費の不足。
優秀な研究者が、資金豊富な海外に流失していしまっている問題は
ここでは目をつぶってしまうのですね。
研究に膨大な資金をつぎ込む中国と、
目先の利益(生徒数の増加)に走る日本。
というか、問題点をはぐらかしてしまい、
真っ向から問題に取り組もうとはしない…
日本版ランキングの記事を見ていると、
日本の問題が浮き彫りにされているな
と思うのは私だけでしょうか?
中国では、教育熱が加熱?
中国の躍進は目覚ましいものですが、
もちろん、中国も大きな問題を抱えています。
それは、過熱気味な教育に対する
親の期待や、周囲の姿勢。
中国の小学校の勉強量は、ものすごいらしいです。
ほとんどの両親が、
子供に良い成績をとってもらうために、
塾に通わせるのが普通なのだとか。
その塾というと、ほぼ毎日。
放課後は学校から塾に直行。
夕食を提供する塾もあるそうです。
こんな、敎育環境に疑問をいだいた親、
あるいは、勉強について行けなくなった子供達の親が、
シンガポールの公立学校や
インター校を目指して、
親子留学してくるらしいです。
シンガポールでは、小学校低学年の場合、
ほぼ、無試験で入学できるインター校が多い為、
英語はおろか、正しい中国語を話すことができない
中国からの子供が増えて困ると、
あるインター校の先生がこぼしていました。
これから、アジア諸国の教育熱は更に加熱していくでしょう。
敎育は国家や経済を動かす上でも、
とても重要です。
でも、間違った方向に進んでしまったら、
大変な事になります。
正しい敎育への道へ、
お子さんたちを導いてもらいたいものです。
当社ではシンガポールヘ進出される企業の皆様、
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