前回のブログシンガポールの間違った情報の見分け方を教えますで、
Sパスについて少し触れさせて頂きました。
今回はシンガポールの就労許可の種類
ーEパスとSパスの違いについて、ご説明させて頂きます。
シンガポールの就労許可にはどんな種類があるの?
シンガポールでの就労の為の許可証は、大きく分けて二つのタイプに分けられます。
ワーク・パーミット
一つは、ワーク・パーミット(WP)と呼ばれるビザです。
これは、港湾関係や建設などに従事する単純作業労働者や
メイドに対して与えられるものです。
これらのパスを所有する外国人を雇用した、雇用主は
外国人雇用税を納付する義務があります。
また、被雇用者への住居の用意も必要です。
入国に際しては、事前に許可が下りている事が条件となります。
ビザの発行を許可するという証明書が無いとシンガポールには入国することができません。
日本人の方がシンガポールで働く場合は、このワークパーミット・カテゴリーではなく、
次にご紹介するビザでの就労となります。
シンガポールでは、”ワークパーミット”というと、
低賃金で働く、単純作業労働者のビザを指します。
外国人の就労許可の事をワークパーミット
と呼ぶ国も多いので、お気を付けください。
ちょっと面白いものを見つけました。
就労許可の発行を管轄するMOMのサイトに、ワークパーミットの事前許可(in-principleレター)の見本がありました。
リンク張っておきますね。
*すみません。リンクが無くなってしまいました。
このように、MOMのサイトは頻繁に変更するので、マメなチェックが必要です。
なんと、英語の他にタミル語で記載されています。
中国人用は中国語、マレーシア人用はマレー語が用意されているものと思います。
流石シンガポール、細かい配慮です。
Sパス
2004年から導入されたパスで、この次にご説明させて頂く、
EPの条件を満たしていない人の為の就労許可です。
4年制の大学の卒業資格が無く、
かつ就労する業務が管理・専門職で無い場合はこちらのビザ申請となります。
日本語では中技能向けパスと訳されることが多いですが、
給与額が低く現地での採用、且つ管理職以外の方は、
こちらのパスを申請する場合が多いです。
最低基本月収は、2,200シンガポールドル(17万6千円)です。
雇用主はワークパーミット同様、
政府に外国人雇用税を納付する義務があります。
企業がSパスを申請するためには、
政府が定めた一定数のシンガポール人の雇用が、必要となってきます。
サービス業の場合は、シンガポール人および、永住権保持者の合計数の15%まで。
その他の業種における雇用限度率は20%となっています。
エンプロイメント・パス (EP)
シンガポールへの起業移住等をお考えの方は、
エンプロイメントメント・パス、通称EPを取得する必要があります。
EP取得の条件をきちんと説明しているサイトが少ないので、
混乱をきたしている方も多いかと思います。
できるだけ、詳しく新しい情報をお伝えして行きたいと思います。
専門職に与えられる、就労許可には3つの種類があります
一般のEPとアントレパス、そしてパーソナライズド・EPです。
今回のご説明は、一般のEPに限らせて頂き、
あとの二つについては、別の機会に詳しくご説明させて頂きます。
EPの取得条件
MOMのサイト「Work passes and permits」によりますと、
EP取得の条件下記の通りです。
For foreign professionals, managers and executives. Candidates need to earn at least $3,300 a month and have acceptable qualifications.
とても、シンプルですね。
外国人の専門職、マネージャー、エグゼクティブで
最低3,300シンガポールドルの月収が必要。
そして、ビザ取得に値する資格を有する。
これだけです。
どこかのブログで、有名大学を出ていないといけないとかいろいろ書いてありましたが…
まあ、有名大学卒業が取得のプラスの要素にはなっても
それほど大きく影響を及ぼしているとは思えません。
更に最低給与が3,300シンガポールドルとなっています。
でも、これを真に受けて、企業側が、
大卒の40歳男性(女性でも構いません)をマネージャーという役職で、
月収S$3,300でEPの申請をしたとします。
たぶん、それではEPの取得できないと思います。
なぜなら
40歳にもなって、しかも大卒でマネージャーの役職しか与えられていない=そんな人ならシンガポール人の優秀な人を雇うべきだ。
みたいな判定が下されでしまう事もあるからです。
この最低賃金S$3,300というのは、本当に最低ラインなので、
専門職であっても年齢の若い人ぐらいにしか、通用しない金額だと思います。
反対に、大学卒業資格は無いけれど、会社の経営者で、
月収がS$10,000以上の方の方が、
EPは下りやすい場合が多いです。
ただし、こちらも一概には言えず、
色々な要素が絡んできますので、
専門家にEPを取得しようとしている方の状況を、
しっかり説明して、
アドバイスをもらう事をお勧めいたします。
まとめ
SパスとEPの違い、何となくお分かりいただけましたでしょうか?
最後にSパスとEPの違いを簡単にまとめておきます。
但し、これが100%正しい分け方かではありませんので、
あくまでも目安としてお考えください。
・Sパスは、管理職あるいは専門職以外の一般のオフィス業務等に携わる外国人向けの就労ビザである。
・Sパスを申請する雇用主は、政府への税金支払いの義務が発生する。
・EPは、一定の学歴以上を有する、専門職あるいは管理職に与えられるビザである。
・EP取得の為の最低賃金はS$3,300(月)であるが、最低額でEPを取得できるのは、ごく一部の人に限られる。
MOMの方でも、シンガポールの景気の動向等と考慮に入れて、
取得の基準に変化を与えています。
以前、他の人がEPを取得できたからと言って、
同じ条件で取得できるとは限りません。
また、所得の際の最低賃金等も変更になる場合がありますので、
こまめな、チェックが必要と言えます。
2017年から、EP取得の最低賃金が変更になりました!
2017年1月1日からエンプロイメント・パスの申請に必要な月額最低給与が、
それまでのS$3,300からS$3,600に引き上げられました。
詳しい情報は、MOMのサイト(英語)をご覧ください。
シンガポールの就労許可に関しては、
▶ シンガポールでの就労ビザ申請及び取得についてー最新(2016年度)情報
のブログもご覧ください。
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