仮想通貨で得た利益、シンガポールでは課税対象となるのでしょうか?

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ビットコインなどの仮想通貨で生じた利益に対する取り扱い方は、
世界のスタンダードと言うものがありません。

それぞれの国によって方針が異なります。

中には、仮想通貨自体を非合法なものとみなしている国もあります。

本日は、日本やシンガポールを中心に、
各国政府の、仮想通貨に対する方針を見ていきます。

目次

雑所得扱いになった日本

2017年9月に国税庁は、
仮想通貨で生じた利益を「雑所得」扱いとする事を発表しました。

ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係
雑所得として扱われた場合の最高税率は、住民税を含めるとなんと55%。

これはFXの利益に課せられる申告分離課税20%と比べると
とても大きな違いです。

どのような課税が適用されるのか、不明瞭な状況から、
いきなり雑所得扱いになってしまったので、
今年度の確定申告で頭を抱えている人も、多いのではないでしょうか?

12月1日には、国税庁は仮想通貨所得の課税について寄せられた
質問に対しての回答を公表しています。

他国の対応と比べると、
かなり詳細なところまで説明がされている印象を受けます。

何と言っても、ビットコインの取引額で、日本は世界で1位!
(2017年10月の情報)
とても大きな市場を形成しているのです。

日本では、仮想通貨は事業所得とすることも可能

上記の「仮想通貨に関する所得の計算方法について」の中で、
事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き
と表記されています。

ということは、仮想通貨で生計を立てている専業のトレーダーの方などは、
雑所得ではなく事業所得としての申告が可能のようです。

事業所得として申告ができると、下記のような利点があります。

1.取引で生じた損失は、給与所得や不動産所得など他の所得と損益通算できる。
*雑所得の場合は、損益通算ができません。
2.1で損益通算後、まだ残った純損失についても3年間繰越しすることができる。
3.青色申告特別控除の利用が可能。
4.親族等に給与として支給することで、経費とすることも可能。

どうやら、あまりにも多くに利益が出ている人は、
仮想通貨の取引を、事業として行った方が良さそうですね。

但し、事業と見なされるには、様々なハードルがありますので、
しっかり確認をして下さい。

日本とは全く異なる解釈のシンガポール

さて、シンガポールでは仮想通貨の扱いはどうなっているのかを見て行きます。

一応、シンガポールのIRASも、仮想通貨の扱いに対して正式な表明をしています。

こちらによると、他の金融商品と同様に、
キャピタルゲインに関して非課税は認められているようです。

ただし、非課税になるには条件があります。
長期的に仮想通貨を保有した場合のみ、非課税扱いとなるということです。

 事業所得としてしまうと、所得税が課せられるシンガポール

面白いことに、シンガポールと日本の方針は、
ほぼ真逆の対応をしています。

個人で行う、長期に渡る取引に関してはキャピタルゲインをみなし、
非課税。但し、短期間の取引は課税対象。

なので、日本の高い税金を逃れてシンガポールに移住。
仮想通貨の売買を行い、その利益だけで生活しようと言うことは
あまり現実的ではないようです。

各国によって、本当に政府の対応は様々

2017年の9月に規制が入った中国などの情報は、
比較的日本でも入手しやすいのですが、
ここであまり日本には馴染みのない国について少しだけご紹介します。

インド
そもそもインドでは、仮想通貨は合法的に認められてはいません。

総人口数では中国についで、世界第二位のインド。
インドでは、仮想通貨は認められていないようです。
ただし、政府がきちんとした見解を公に示しているということは、
通貨量はもしかしたら多いのかもしれません。
そもそも、IT系には強い国ですからね。

合法的には認められていないのに、
生じた利益に関しては課税対象と言うことは、
明確にうたっています。

Gains from virtual currencies are taxable
ビジネススタンダード

お次は、シンガポールと比較されることが多い、UEAです。

2017年10月の現地の英字新聞 Gulf News

国自体が仮想通貨の取扱について、
迷走しているのがよく分かる記事です。

仮想通貨の取引については、中央銀行が
インド同様に非合法と発表をしたようですが、
通常の取引に関しては、容認するスタンスを取っています。

これからの仮想通貨の行方は

インドや、UEAそしてシンガポールの政府や中央銀行、
金融庁の見解を見ていると、どこもはっきりとした見解を
出すのを控えているような印象を受けます。

それは、仮想通貨が将来的には
絶対に無視できないものになることは十分に理解しながらも、
ブラックマーケットの温床になってしまう事の懸念から、
仮想通貨の扱いをどうやって規制していくかを
模索しているからではないでしょうか?

世界と言う広い視野から
仮想通貨のあり方を検討している諸外国と比べると、
日本の見解は、日本でどうやって税金を収めさせるかだけに
集中しすぎているような気がします。

シンガポールでは、仮想通貨を販売していた会社が現地の銀行から予告もなく、
法人口座を強制的に閉鎖させられたという、事象も起こっています。

それほど、各国は、仮想通貨について神経質になっているのです。

日本の政府だけが、向いている方向が異なっている印象を受けるのは、
私だけでしょうか。


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