日本とシンガポールでこんなに違う節税に関しての考え方

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シンガポールで法人設立のお手伝いをしていると、
「節税の為に管理会社を設立したい」というお問い合わせを日本から頂くことがあります。

また、
シンガポールで法人を設立し、株式投資や金融商品の購入を行いたいとのご相談。
さらには、中小企業様が支店を設立して、シンガポールへ進出したいなど。

どれも私には「何故そんな質問?」という疑問がつきまとっていたのですが、
やっと最近になって(かなり遅いですね)
どうして、シンガポールでは思いつかないことを
日本にお住まいの人は考えるのかという事がわかって来ました。

ということで、今回は
日本では節税対策と考えられていることが、
シンガポールでは「?」な理由をご説明させて頂きます。

目次

資産管理会社ってなんですか?

日本では、「節税のために資産管理会社を作りましょう」と言われるのが、
ごく当たり前の事のようです。

シンガポールで「資産管理会社」と聞けば、
思いつくのは顧客である各社の資産を運用して、
その会社の資産を大きくしてくれる会社の事です。

あるいはプライベートバンクみたいなところでしょうか?

*各銀行のプライベートバンキングの部署とは異なります。

でも、日本で一般に資産管理会社と言うと、
個人やそのご家族の資産を管理するために
ご自身で設立する法人格の会社を指すのが一般的のようです。

以前に、「資産管理会社を沢山作れば、安い法人税の利用の為にシンガポールみたいな所に法人を作る必要はありません」
などと説明している人がいたので、
ちょっとびっくりしてしまいました。

利益を生み出さない会社を作って、節税。

これは、シンガポールの人からしてみると、
とても不思議な事に感じられてしまいます。

それは何故でしょうか?

日本とシンガポールの節税に対する意識の違い

日本では、個人では経費として認めてもらえないものを、
いかにして法人で経費として落とすかと言うことに、
ものすごく重きがおかれているような気がします。

要は、いかに利益をあげないように工夫するかということが日本では、
節税の王道のようになっている印象を受けます。

もちろん、経費として落とせるものがあれば、節税となり、
同じ売上でも、利益が大幅に変わってくることがあります。

それは日本の、法人税や個人の所得税の税率が高いという事が大きな要因の一つです。
そして、法人に関しては「経費」がしっかりと定義されているようで、
実はかなり曖昧であることも、
シンガポールから見ると「???」という節税方法と関係しているのでしょう。

法人税率が17%。
そして、個人の所得税率も最高22%のシンガポールでは、
日本のように、納税額をどうしたら低く抑えられるかを考える必要がありません。

それよりも、大きな利益をあげて、
その利益を利用して更に事業を大きくするという、
考え方が一般的なように思われます。

法人で大きな利益をあげた場合は、
政府が色々減税のスキームを与えてくれます。

最近、ソフトバンクの孫さんの弟さん、
孫泰蔵さんがシンガポールに移住されましたが、
将来性のある、IT関連の企業を誘致したいシンガポールとしては、
きっと大きなメリットになっているのでは無いでしょうか。

どんなパッケージで移住されたのか?
ちょっと興味が湧きますね。

日本では節税対策かも知れないけれど、シンガポールでは一般的では無い事

ここで、日本ではごく一般的に行われる節税対策なのに、
シンガポールでは全く行われていない主なものを紹介いたします。

シンガポールの法人の会計では、日本と比べてあまり細かい規制なしに経費として認められるものが多いです。
しかし、意外なものが経費として認められなかったりします。

 車を会社名義で購入する

シンガポールを訪れた人は、
他の東南アジア諸国のようにものすごい交通渋滞がない事に気がつくでしょう。

東京都23区内とほぼ同様の面積に、500万人強の人が住んでいるのに何故?

それは、交通渋滞で都市の機能に支障をきたさないように、
一般車の税金を高く設定しているのです。

ちなみに、プリウスの2年落ちの中古車で販売価格は800万円程!
ちょっとびっくりではないですか?

車に関するものは、通常経費として認められてはいません。
なので、シンガポールでは「法人で車を購入して節税」などということは不可能なのです。

住宅などの不動産物件を法人名義で購入する

日本では、一般の住宅を事務所として使用していることにして
(実際に使用している方もおられるとは思いますが)会社の経費で落としたり、
別荘などを、保養所扱いにしている事って結構多くありませんか?

こちらもシンガポールでは、ほとんど意味をなさない節税方法です。

もちろん、純粋に自宅をオフィスとして利用している場合は、
家賃の一部をオフィスの賃貸料として、計上できますが、
不動産を購入してそれを第三者に賃貸する事を考えた場合、
殆どの人は個人名義で不動産を購入します。

相続税や贈与税の存在しないシンガポールでは、
個人で大きな資産を持っていても
心配することはありません。

また、個人ではかからない経費が、法人の場合ではかかってしまう場合もあります。
法人で不動産を持つよりも、個人で保有することのメリットの方が大きいのです。

投資商品の購入

こちらも2同様、日本では経費を多くするために儲からない(!)
投資商品を購入したりする場合がありますよね。

投資商品とは異なりますが、宝くじを会社の利益が飛ぶぐらい購入して、
お得意様へのプレゼントとするとか…
シンガポールの人が聞いたら、本当にびっくりすると思います。

そもそも、何故利益が上がらいないようにしなければいけないのか、
儲からない投資商品を何故購入しなければいけないのか、
シンガポール人は理解できないと思います。

投資商品と言うのは、
利益が出るから投資に値するものですから…

シンガポールでは個人で購入した、
投資商品のキャピタルゲインは非課税扱いですが、
法人の場合は、課税対象となります。

なので、あえて法人で
投資商品を購入という考えはあまり無いようです。

保険商品を法人名義で購入する

日本では、利回りよりも
節税の為の商品となってしまった様な感がある保険商品ですが、
シンガポールの保険商品は、立派な高利回りの金融商品です!

利益を極力抑える為の保険商品購入が日本の法人では盛んですが、
シンガポールで保険商品の位置づけは、
資産を増やすための商品として、
個人が購入するするのが一般的です。

もちろん、金融商品と同様、
個人の場合配当や受取金は課税対象外です。
年間5,000Sドルまでであれば、所得控除の対象になります。

節税に知恵を絞るか?それとも売上アップに知恵を絞るのか?

日本では大きな利益が出てしまうと(なにかネガティブな言い方をしてしまいましたが)
高額な法人税の請求に驚くことがあるようです。

そんな事態に陥らないように、常に節税の方法に頭を悩ましていなければいけないというのは、
ビジネスを行うと言う見地からすると、何か、ちょっと不思議な感じがします。

何もかも個人ではなく、法人で処理して節税しようという考えが、
なぜシンガポールでは一般的でないのかがお分かりいただけましたでしょうか。

やはり会社を経営するからには、大きな利益を出して
その利益をもとにさらに、ビジネスを発展させていく、
そんな市場が一番全うだと思うのですが、現在の日本の構造では悲しいかな
やはり、どうしたら効率的に節税ができるのかが最大の懸案事項になってしまう事が
多いようです。

今回のブログを通して、日本で一般的な節税対策と思われているものは、
シンガポールでは、
ほとんど意味をなさないものだと言うことを少しでもご理解頂ければ嬉しいです。


当社ではシンガポールヘ進出される企業の皆様、

また移住をお考えの皆様のサポートをさせて頂いております。

当地での移住をご検討中の方は、

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そして、会社設立等については、

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