海外に銀行口座を作る時、注意しなければいけない3つのこと

ひと月ほど前、立て続けに銀行口座に関するお問い合わせをいただきました。

そのうち2つが、口座の閉鎖に関する質問です。

今回は、その質問内容から、
海外での銀行口座を開設する時に気をつけること、
そして、
当社からのお願いを、皆様にご連絡させていただきます。

目次

1.そもそも海外に銀行口座を作る目的は?

まずはじめに、頂いた3つのご質問をご紹介いたします。

1.シンガポールに作ったオフショア法人の、銀行口座の閉鎖の手伝いをしてほしい。
2.シンガポールに作った個人の銀行口座を閉鎖したい。
3. 開設時に依頼した業者がいなくなって、どうして良いかわからない

詳しいお話は伺っていないので、推測ですが、
どの方も、シンガポールに銀行口座をどうして作らなければいけないのか。
そして、その口座をどうやって運用していくのかを、
きちんと把握してから、口座を開設(あるいは開設を希望)しているようではない気がします。

確かに、今の日本にすべての資産をおいておくのは心配だし、
シンガポールには、日本には無い魅力的な金融商品もあります。

最近は、今までは簡単に得ることが出来なかった、
海外の金融商品や口座開設情報などを、ネット等で簡単に取得することができます。
なので、多くの人の興味が海外に向くことは自然な流れだと思います。

でも何か皆さん、とっても安易に口座開設を考えているような気がします。

海外に銀行口座を開設して、その後きちんとご自身で管理ができるか。
そして、
開設した海外口座のメリットを十分に活用できるのかを、
口座開設の前に、きちんと考えてみることをお勧めいたします。

1番の質問は個人口座ではありませんが、
今まで本当に一握りの人しか知らなかったオフショア口座についても、
一般の方々が開設してしまうというのは、
やはり情報の入手が、容易になったことが原因だと思います。

気軽に口座を開いて見たものの…

なんとなく口座を開設してしまうと、
後から、思わぬ面倒に見舞われることがあります。

それは、口座凍結です。

シンガポールの場合、HSBCなどの外資の銀行を除き、全く動きのない口座でも、
十分な残高があり、不当な取引に使われていないのであれば、
個人の口座が凍結される恐れは、ほぼありません。

但し、香港などでは、
突然引き出しができなくなったという話をよく聞きます。

香港の法人口座が凍結されたので、
シンガポールに法人口座を開設したいという方も
かなりいるようです。

海外銀行口座開設のブームに乗って、口座開設したものの、
結局使いみちがよく分からず、ほったらかしてある。

そんな場合は、
口座を凍結されてしまう恐れがあります。

口座凍結を解除するには、
口座を開設した国に行く必要があります。

もちろん英語で銀行員を会話する必要だってあります。

もし、口座に数十万円程度の残高しかなかったら…
旅行ついでならまだしも、
とても無駄な、出費ですよね。

何度も繰り返しますが、
口座を開設する前に、
本当にその口座開設が必要なのか、
開設後の管理は自分でできるのかを、きちんと考えてから、
口座開設に臨みましょう。

そして、口座凍結のリスク等もきちんと考慮しておきましょう。

2.業者選びは慎重に

質問1と2の方は、業者と連絡が取れなくなった。
あるいは、業者自体に騙されてしまったというパターンです。

実際どんな業者に頼んだかは、不明なのですが、
1の場合は、オフショア法人口座を開設できたのですから、
かなり、サポートしてくれた業者は
シンガポールの銀行事情に長けている人ではないでしょうか?

ただ、開設できただけで、その後連絡が取れなくなったというのは、困りものですね。

質問2の方の場合は、
普通口座ではなく、投資信託のような口座をお持ちでした。

通常では、ある一定金額以上(35万Sドル)でないと、
海外在住の外国人が普通口座を開けるのは、
かなりハードルが高いと言われている銀行なのに、
この方がお持ちだった、口座は普通口座でした。

多分、投資商品の購入を条件に、
普通口座開設が、可能になったのだと思います。

口座開設の可否は、銀行の各支店の
口座開設部署のトップの人の裁量によるところがとても多いのです。

それほどまとまった金額ではないのに、口座の開設が可能だったということは、
その投資商品が、銀行員がノルマを課せられていた商品という可能性が高いです。

あるいは、銀行員へのキックバックが大きい商品ということも考えられます。

この商品を確認したところ、保有期間が最低5年で、
それ以前の解約には、ペナルティーが付く商品でした。

見かけの利回りは高いですが、
それはきちんと5年保有していることが条件です。

もちろん、投資されたご本人はそのことは何も知らされていない様子。

銀行側は、すべて商品の説明をしましたという書類に購入者からのサインをもらいますが、
通訳となった、開設サポートの人が適当に説明したのでは、ないでしょうか?

ご自身が作られた口座や購入された商品は一体どんなものなのか、
サポート業者に依頼するのであれば、
そのあたりも、きちんと説明してくれる業者に依頼しましょう。

サポート業者に関してですが、個人や社歴の浅い会社は、
まずはその人や会社が本当に信頼できるところなのかを、
きちんと調べる必要もありますね。

特に依頼主が英語ができずに、将来的なサポートが必要な場合は、特に注意が必要です。
銀行口座は開設がゴールでは無いのですから。

英語が全くできない状態で、人に進められるまま、
金融商品を購入すると、あとが大変です。

口座開設を条件に、なにか商品を勧められたら、気をつけてくださいね。

きちんと担当者がつくのはプレミア口座以上

少し話がそれますが、シンガポール口座について、少しだけご説明いたします。

高額の口座を保有している場合は、きちんと担当者が付きますが、
普通口座の場合は、もちろん担当者はいません。

金融商品を購入した際に一応、その商品を販売できる担当者が説明をしますが、
その人が、ずっとあなたの口座の担当になってくれているというわけではありません。
(金融商品を販売にはライセンスが必要なので、一般窓口の人は販売をすることはできません)

購入当時の担当者がやめてしまえば、
特に新しい担当者がつくわけではありません。

まあ、その方の口座残高を見て、
「チャンス!」と思った他の銀行員がアプローチしてくるかもしれませんが…

やはり、言葉に自信がなく、海外で銀行口座を開設するならば、
個人に担当者がつく、プレミア以上の口座開設をオススメ致します。

3.最新情報を入手する

海外の銀行口座開設情報は、以前と異なり、
ネット等で簡単に入手できるようになりました。

でも、注意していただきたいのは、
その情報が最新で、且つ信頼できるものであるかと言うことです。
情報は常にアップデートされていきます。

シンガポールの情報は日本に比べると、アップデートの速度が速いです。
また、情報は英語で発信されますから、
極端な話、日本語になった時点ですでにその情報が古くなっている可能性だってあり得ます。

当地の保険にご興味のある方から、
あるホームページが送られてきまことがあります。

そこに出ていた金利は、数年前のものでした。
頂いた時点では、その金利よりも低い利回りで運用されていました。

でも、そのページを信じていて、
「こっちの方が高いですよね」とおっしゃいました。

確かにそのページの出来栄えというか、見栄えは立派でした。
もちろん日本人向けのものです。

見栄えの良さから、つい信用したくなりますが、
それはとても危険です。

通常シンガポールでは、日本の金融機関が配布するような、
金利が表示されている、色刷りで豪華なパンフレットのようなものを
顧客に配布することはありません。

こちらが希望を話すと、投資商品の担当者が、
端末を叩いて、パフォーマンスの良さそうな商品のチャートを調べ、
それを印刷して説明してくれるのが一般的です。

これは商品のパフォーマンスは日々変化してるからであって、
そのために印刷物を一々用意できないからです。

日本のように、あの豪華なパンフレット類を印刷し、
お客さんに配布できること自体が本当はおかしいんですよね。

なので、しっかりしたパンフレットがあるのが、安心。
という考えは、あまり当てはまりません。

常に最新情報、できれば一次情報に触れることが大切です。

最後に…

当社からのお知らせとお願いです。

当社では、銀行口座開設ご希望の方のお手伝いはさせて頂いておりますが、
当社の事業のメインは、シンガポール会社設立や当地へ移住されてきた方のサポートで、
口座開設は、そのサポートに含まれるサービスの一つです。

ただ、各銀行員の方からも、
「口座を開きたい人がいたら紹介してね。」
とお願いされることがあるので、
銀行口座開設をご希望の方がいれば、ご紹介させて頂いているのが実情です。

提供できるサービスは、シンガポール非居住の方の場合、
プレミア口座(日本円で約3800万円*)以上のサポートに限らせて頂いております。
*2024年9月現在のレートです。

理由は、
担当者がきちんとついてくれる。
その人が銀行をやめた場合でも、新しい担当者の連絡が銀行からきちんと届く。
そして、担当者と私が常に連絡できる状態である事。
です。

せっかく開設した、海外の銀行口座。
しっかり、有効活用してくださいね。

プレミア以上の口座開設をご希望の方は、口座開設申し込みフォームよりお問い合わせ下さい。

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