こんなに違う、日本とシンガポールの教育への取り組み方


シンガポール政府は、サーキットブレカー(パーシャルロックダウン)実施から2週間が経過した4月21日(火曜日)、サーキットブレイカーの期間を更に4週間延長すると発表しました。

延長に関しては誰もが薄々感じていたとはいえ、
更に4週間の延長となると、かなりのインパクトがあり、
落胆した人も多かったと思います。

これに伴い、シンガポールの公立学校の夏休みを5月5日から6月1日と早め、
3学期の開始をサーキットブレイカーの終了予定の翌日である、6月2日に変更しました。

夏休が通常より短くなり、その分3学期の授業が長くなりました。

サーキットブレイカー期間が4週間も伸びてしまったのは本当に残念ですが、
政府の素早い対応と教育への取り組みには本当に感心させられます。

目次

学校閉鎖を行わなかったシンガポール政府

意外なことにシンガポール政府は、コロナウィルス問題が発生してから、
一度も学校の休校措置を取ったことはありません。

シンガポールは学校を閉鎖しなかったら、感染者が増加したと言った、
いい加減な記事を目にしたことがありますが、そんなことはありません。
確かに数校の学校で、学校関係者や生徒の中に感染者が発見されたことはありますが、
クラスタになった学校は皆無です。

シンガポールは共稼ぎの家庭がとても多い国です。
また、日本同様に核家族化も進んでいます。

学校がいきなり閉鎖されたら、社会に大きな混乱をもたらすこと、
そして小さな子どもたちがクラスタになる確率は極めて少ないこと等を考慮して
学校の継続を行っていたのかもしれません。

シンガポール教育機関、新型コロナウィルス感染拡大下での取り組み

ここで、時系列にサーキットブレイカー実施までの
シンガポールの公立学校の様子を見ていきましょう。

3月14日から3月22日
1学期と2学期の間の休暇まで、すべての学校は平常授業を継続。

3月23日
2学期開始
併せて週一回のHome Based Learningが実施される。

3月25日
3月27日からすべての塾を閉鎖することを政府が発表。
これにより、ほとんどの塾の授業はオンラインに切り替えられました。

4月3日
シンガポール政府、サーキットブレイカー実施を発表。
期間は4月7日(火)から5月4日(月)まで。

すべての教育期間は4月8日から学校を閉鎖。
授業はオンラインで行うこととする。

これにより、4月8日から公立学校の授業はすべて、
Home Based Learning で行われる事になりました。

そして冒頭で述べたように、サーキットブレイカー期間が延長され、
3学期開始日をサーキットブレイカーが解除される6月2日へと変更。

ここまでのの流れを見てみると、
事態が悪化した場合でもすぐに対処できるような準備を予めしていた感じがします。
シンガポールがいかに教育に重点をおいているかがよく分かりますね。

日本政府が行った学校対策

日本の状況を見ていきます。

2月28日
文部科学省が各自治体へ
3月2日からのすべての学校の臨時休校を要請。

しかし、あくまでも要請のため、
各自治体の判断は分かれ、休校しない学校もあったようです。
また、各学校の判断により卒業式や入学式が行われたあとは、
そのままの流れで、春休みが過ぎても学校は休校のままとなっています。

シンガポールと日本との違い

1.日本の政府発表って何か思いつきのようにしか思えない。

時系列を追ってみてもわかるのですが、
シンガポールの場合、その時の状況を逐次考慮に入れて、政策を次々と打ち出しています。
オンライン授業をいきなりではなく、段階を追って導入しました。

方や日本はというと、休校要請を出した後は、各自治体に任せたまま。
卒業式は?入学式は?そして休学中の子どもたちの勉強は?
きっと各自治体は本当に混乱をしたことでしょう。

2.学校が休校中の生徒のケアはどうする!

シンガポールの場合、学校の授業を完全オンライン化したのは、
サーキットブレイカー実施の一日後です。
これは混乱を避けるための措置と考えられます。

また、エッセンシャル・サービス以外の業種はすべて家での仕事に切り替えられたため、
両親はもちろん自宅にいます。
仕事をしながらと言う不便さはありますが、
子どもたちの勉強のサポートをする時間は確保できるでしょう。

もちろんエッセンシャル・サービスに携わる両親を持つ子どもたちは、
学校へ登校し安全な距離を取って、学校でのオンライン授業を行うことなりました。
おおよそ4000人の子どもたちが、サーキットブレイカー中も学校へ通っているそうです。

また、パソコンを持っていない低所得の家庭には政府が無料でパソコンを貸与。
インターネットが無い家庭には、インターネット回線も無料で設置しました。

日本の大きな問題は、両親が自宅待機できずに通勤を強いられている家庭へのサポートがほとんど考えられていないことです。
現状は、学校へプリントをもらいに行ったり、
担任の先生が各家庭に届けているという話を知人から聞きましたが、
シンガポールの子どもたちと比べ、あまりにも貧弱な教育環境だと感じました。

シンガポールと異なり、オンラインの授業を行うことができるのは
一部の私立の学校に限られているでしょう。

家庭学習で、遅れてしまう子供とそうでない子供の差がどんどん広がるような気もします。
また、学校が閉鎖になった時、学童は以前オープンしているという話題を聞きました。
でも、学童のスペースは学校よりも狭くて閉ざされた空間です。
本当に子どもたちの感染を恐れていたら、学校閉鎖の要請の前に、
もっとすることがあったはずです。

日本の公立学校の子どもたちの教育環境は発展途上国並なのか?

新型コロナウィルス感染下のシンガポール政府と日本の政府が行っている、
教育機関に対する対策には、本当に大きな開きがあることがおわかりいただけたと思います。

幸い日本は世界の中でも、感染者数が突出して少ない国です。
また、外から見ていると、
国民が自主的に感染を広げない行動をきちんと取っている国だと感じます。

でも、悲しいかな政府の行っている事は世界の中でもワーストにランクインしてもおかしくないでしょう。
特に公立学校の教育に関する措置は、
充分な予算を持たない発展途上国のそれと何ら代わりはありません。


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