シンガポールにはいったい、いくつの銀行があるのでしょうか?
アジアの中では、香港と並んで金融のハブと言われているシンガポール。
世界中の銀行が、シンガポールに集まってきています。
今回は、プライベート・バンクのご紹介ではなく、
一般の商業銀行について、ご説明をさせて頂きます。
シンガポールの商業銀行
2014 年 3 月時点で、シンガポールには
125 行の外国資本の商業銀行が存在しています。
その中で、シンガポール国内資本の銀行と同じように
フル・バンキングのサービスを提供できるライセンスを
持っている銀行が、28行あります。
因みに、日本の場合をご紹介すると、
外国資本の銀行は53行。
しかも、SBJ(韓国系銀行)を除き、
全て外国銀行の免許で業務を行っています。
外国銀行の免許では、
日本の一般の銀行と同様の業務を行う事はできません。
日本にある外国資本の銀行は、
一般の人には、ほとんど縁のない銀行という事です。
それぞれの国の考え方の違いもありますが、
いかに、日本の金融界が閉ざされたものであるかが想像できます。
シンガポールの銀行の種類
それでは、シンガポールの商業銀行の種類を見ていきましょう。
フルバンク(Full Bank): 銀行法で認められたすべての業務の提供が可能
フル・バンクとはその名の通り、
銀行法で定められた、すべての業務を行う事が出来る銀行を指します。
国内資本のフル・バンクは、支店数やATM機の数の規制も受けません。
【国内資本の銀行】
- DBS Bank 政府系国内最大手の銀行。ATMの数も最大です。
個人口座専用のPOSBもDBS資本です。 - OCBC (華僑銀行:Oversea-Chinese Banking Corporation)
世界最強の銀行に何度も選ばれたことがあります。
富裕層を対象とした、Bank of singaporeはOCBC資本です。 - UOB (ユナイテッド・オーバーシーズ銀行:United Overseas Bank)フルバンクのライセンスを持つ、Far Eastern Bank limitedはUOBの資本下にあります。
上記3行がシンガポールの大手3行です。
これらの銀行の総資産を合計は、シンガポールのGDPの2倍の規模に相当します。
どの銀行も格付けは高く、また、世界の最強銀行のTOP10には常に名前を連ねています。
シンガポールにお住まいになる場合は、
上記のいずれかの銀行に口座を持っていると便利です。
【海外資本の銀行】
28行の外資系銀行が、フル・ライセンスを取得しています。
フル・ライセンスの中には、「フルバンク」と「認定フルバンク(Qualifying full banks:QFB)」の二つのライセンスがあります。
QFBは通常のフル・バンクの上位ライセンス。
シンガポール資本のフル・バンクと全く同じ業務を行う事が出来ます。
外国資本のフル・バンクライセンスを持つ銀行には、
支店やATMの設置数に規制があります。
HSBCやCITIのATMがローカル大手3行に比べて少ないのは、
上記の理由にもよります。
QFBを取得している銀行:
HSBC (香港), Standard Charterd bank(英), シティバンク(米)、 PNB パリバ(仏), メイ・バンク(マレーシア)、中国銀行(中国)、ICBC:中国工商銀行(中国),SBI (インド), ANZ (ニュージーランド*2018年DBS傘下となりました)。
近年、中国資本の銀行が立て続けにQFBのライセンスを取得しています。
通常のフルライセンスを取得している主な銀行は、下記になります。
- アメリカ合衆国 バンクオブ・アメリカ;JP モルガン
- 日本 みずほ銀行;東京三菱UFJ銀行;三井住友銀行
- 香港 BEA(東亜銀行)
その他、中国やマレーシア、インドネシア、インド等の外国資本の銀行がフル・バンクのライセンスを取得しています。
ホールセール・バンク(Wholesale Bank):
ホールセール・バンクは、
シンガポール・ドルによる、リーテル業務は禁止されています。
また、国内の支店数も、1支店のみに制限されています。
56行のホールセール・バンクがあります。
主なホールセール・バンク
- UBS:スイス
- ラボバンク:オランダ
- ロイヤルバンク・オブ・スコットランド:イギリス
オフショア・バンク(Offshore Bank):
最後にご紹介するのは、オフショア・バンクです。
36行の外国銀行がオフショア・バンクのライセンスを取得しています。
名前の通り、オフショアの業務を中心に行っています。
シンガポール・ドル建ての口座開設はできない等、
国内における多くの業務には制限が課せられています。
「世界最強の銀行はどこの国にあるのでしょう?」でご紹介した、
農林中金銀行はシンガポールにおける、オフショア・バンクです。
しかし、こうやって調べていくと、シンガポールには世界中の銀行が集まっている事が、わかります。
今回ご紹介した商業銀行以外に、投資銀行や、駐在員事務所を置く外国の銀行などもあります。
QFBに対する規制緩和などの推移を見ていると、
国内の銀行を保護しながらも、金融の中心地としての地位を築くため、
世界に向けて大きく門戸を開いてきた、
シンガポール政府の政策の一端が垣間見れ、なかなか興味深いです。
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