シンガポール不動産投資と日本の不動産投資を比較してみました。

不動産

オリンピック景気も相まって、
日本の不動産が、海外(主にアジア)の個人投資家から注目されています。

反面、日本人の方々の間では海外不動産投資も人気。

さて、あなたなら日本とアジアの不動産、どちらに投資しますか?

今回は、日本の不動産とシンガポールを中心としたアジアの不動産(主に住宅について)投資について
考え方の違いについてお話しさせて頂きます。

目次

何故、日本の不動産に外国人が注目しているの?

日本の不動産が、アジアの投資から脚光を浴びた理由の一つはその価格の安さ!

日本にお住まいの皆様は、それが普通だと思っていらっしゃると思いますが、
シンガポールや香港をはじめ、台湾などアジアの不動産価格は日本と比べて高額です。

例えば…
すごく大雑把ですが、
香港の中心地で90平米程度の2LDKのコンドミニアムの値段が、日本円で2億5千万円。
シンガポールで、同等のコンドミニアムは1億9千万円程です。

*香港は,ホンコンホームズ、シンガポールはプロパティ・グルーに掲載されていた物件を参考にしています。
どちらも、超高級という訳ではなく、平均よりは高級なコンドという位置づけです。

シンガポールでは、これらの価格帯の物件は、
一部上場、非製造業系駐在員(日系)の方が住むようなコンドミニアムという位置づけです。

六本木ヒルズは、2LDK(78平米)で2億800万円でした。
ただ、上記の物件とは借主の層が異なるので、同じに考えてはいけませんね。
一般的な2LDKは5,000万円も出したら十分なのではないでしょうか?

香港やシンガポールの人から見たら、一般的な日本の物件は何て安いんだと思ってしまうのも無理はありません。
特に、自分の国の物件を購入できない人達にとっては尚更です。

でも、自国の不動産より安いからと言って、
日本の不動産を、有望な投資先を考えてよいのでしょうか。

日本の不動産市況を見ていきます。

ここ数年、アジア人の間で注目を浴びている日本の不動産。
これって、本当にお買い得なのでしょうか?
日本の不動産市場を、過去からさかのぼってみていきます。

下記は、日本全国の地価の推移をグラフにしたものです。
全国平均でも、バブル期と現在では2倍以上の価格の開きがあります。

日本の地価の推移グラフ

次は、東京の地価の推移です。
全国よりその差は顕著で、ピーク時には平米単価が278万7965円。

2015年末の価格は84万円と3倍以上の開きがあります。
東京はバブル当時
公示地価より、実際取引された額の方が高かったのですね。

この時期に、土地や建物を相続された方は
本当に大変だったと思います。
やはりバブルと呼ぶにふさわしい時代ですね。

東京都の地価推移グラフ

この二つのグラフを見ていると、
バブル以降、日本の土地の価格は急激な値下がり後、落ち着きをみせ、
その後は大きな値上がりはありません。

という事は、外国人の購入で土地の価格が上がっているのは、
ごく一部という事がわかります。
(名古屋などでは、20%以上の値上がりをしている物件も多くありますが…)

中心地や北海道のリゾートなど、特別の意味を持った物件以外は、
おそらく値下がりが続いているものと推測されます。

日本の不動産業者のサイトで、こんな記事を見つけました。

神奈川県で空きアパート増加

実情を知らずに、周りに惑わされて購入するのは危険ですね。

日本の不動産(住宅物件)の特徴

日本の不動産物件購入の主な理由は、
・インカムゲインが期待できる
・節税対策になる
・自己資本金ゼロでも購入可能
などが上げられます。

決してキャピタルゲインを期待しては、いないのです。
築年数の古い物件は、
普通は資産価値がどんどん落ちていくものです。

果たしてこれから将来的にも、
インカムゲインは期待できるのでしょうか。

人口の減少によって、賃貸市場はどんどん小さくなることは目に見えています。
昭和39年の日本人の平均年齢は28歳ですが、現在は49歳。
少子化がどんどん進んでいます。

台湾の不動産業者は、台湾の一般のホワイトカラーに人々に、
「日本移民構想」みたいな事を言って、
日本の物件の購入を勧めるらしいのですが、
移民で日本に来るのは豊かな人たちではないので、家賃の高い物件には住めません。

仮に、日本が多くの移民を受け入れる事になったとしても、
その時は、安価な集合住宅の需要が出てくると思います。
現在、多くの不動産業者が勧めているワンルームマンションの需要は高まるとは思えません。

果たして、日本の不動産を購入して、ババを引くのは、
日本の不動産に疎い中国人や台湾人、
そしてシンガポール人などの小口投資家たちなのでしょうか。

じゃあ、海外の不動産の方が安全なの?

日本の不動産投資は、先行きが不透明。
じゃあ、発展の著しいアジアの国々の不動産に投資しよう!

そう思うのも、自然の流れですよね。

日本人に特に人気のあるのは、
フィリピンやマレーシアの不動産。

確かに、若年層が多く人口増加は期待できる。
更に、国家も順調に発展している。

物件のキャピタルゲインは十分に期待できる。

更に、物件の販売価格は日本より安いものが多い。

日本の現状を知っている人たちは
ものすごく魅力的な市場に見えてくるかもしれません。

ただ、一つだけ見落としがちな点があります。

不動産市場が供給過多に落ちっていないか?

東南アジアの新興国の首都を訪れると、どこもかしこも建築ラッシュ。

景気が良い事は良い事ですが、そんなに住宅を建てて一体だれが住むの?

絶対にその国に住む平均的な国民ではない事は、明らかですね。

なぜなら、
明らかに建設中の販売価格と国民の平均年収とでは大きな開きがあるからです。

例えば、日本で2千万円で販売されているマンションがあるとします。
ローンを組めば、ごく普通の人だって物件の購入は可能ですよね。

これがフィリピンで、日本円で2千万円相当の物件だったらどうでしょう。
フィリピンの一人当たりのGDPは2858USD。
日本はその10倍以上の32,485USDです。

という事は、普通のフィリピン人にとって、2千万円相当の物件は、
日本人の2億円以上の感覚になるのではないでしょうか?

一般庶民が易々と購入できるものではありません。

購入者は自ずと、外国人投資家あるいはフィリピンの富裕層となります。

じゃあ、誰がその物件を借りて住むのかという事になると。。。
難しいですよね。
物件の数に比べて、予測できる賃貸希望者が少なすぎます。

こうやって、一つ一つ丁寧に考えていくと、
東南アジアの海外不動産投資って、
それほどバラ色ではない事に気が付くはずです。

それでも、伸び盛りの新興国は多くのポテンシャルを秘めています。
正しい物件の選択により、キャピタルゲインは期待できると思います。

海外不動産投資は、日本より慎重に行って下さいね。
外国では、日本人が日本人を食い物にしているという話を良く聞きます。

不動産投資にご興味のある方は、くれぐれも騙されたりしないよう、
何が正しくて、何が間違っているのかを判断する目を養いましょう。

おまけです。

最後に、シンガポールの不動産価格の推移のグラフをのせておきます。
2000年を100とした不動産価格の推移です。
多少の下落はあるものの、なだらかに上昇しています。

但し、2014年から緩やかな下降線を描いていますね。
果たして、これからもキャピタルを期待することはできるのか…

シンガポールの場合、
それは全て政府の手腕にかかっていると言っても過言ではありません。
これからのシンガポール不動産市場。
少し観察が必要ですね。

シンガポールの住宅販売価格チャート

シンガポールや東南アジアの不動産投資、あるいはシンガポールの金融商品にご興味がある方は、お問い合わせフォームからご連絡下さい。

シンガポールの不動産について、色々知りたい方は、
▶ シンガポールの住宅の賃貸相場を各国と比較してお知らせしようと思った所、面白い事を発見しました。
も併せてご覧ください。

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