シンガポールに設立した法人に会計監査は必要ですか?

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シンガポールの会計監査、日本とどこが違うの?
シンガポールに設立した法人は全て、会計監査が必要なの?
2015年に改正されたシンガポールの会社法の注意点は?
このブログを読んだら、そんな不明点がすっきりと解決しますよ。

シンガポールの会社法に定められている「会計監査人」とは?

シンガポールで設立された会社は、設立から3か月以内に会計監査人(Auditor)を選任し、ACRAに届け出をしなければいけないことが会社法(Company Law)によって定められています。

日本の会計監査人とシンガポールのそれの違いからみていきましょう!

日本の会計監査人

会計監査人(かいけいかんさにん)とは、株式会社における機関のひとつであり、会社の計算書類などを会計監査することを主な職務・権限とする。公認会計士または監査法人のみが就任することが出来る(会社法337条)。1974年の商法改正で会計監査人制度が創設された。

-ウィキペディアより

一方、シンガポールはと言いますと、

職務や権限は日本のそれとほぼ変わらないのですが、
資格に関しては規定を特に設けてはおりません。

資格のない人でも、会計監査人になれてしまうという事は、
日本人にとってはちょっと意外な感じを受けますよね。

資格を必要とはしないとはいえ、多くの企業はやはり日本と同様、
シンガポールでも、監査法人やCPA等の資格を持った会計士を
会計監査人として任命するケースがほとんどです。

監査人免除の法人

2003年までは、ACRAに登記される全ての会社に、
監査人の登録と会計監査が義務づけられていました。
しかし改正後は、下記の3つの要件を満たす法人(Exempt Private Company)

  1. シンガポール法人の株主がすべて個人。
  2. 株主数が20名未満。
  3. 年間売上高が500万SGD以下。

に関しては、会計監査および監査人の登録が免除となりました。

2014年度の会社法改正によって、さらに会計監査が免除の法人が増えました。

2014年に会社法が改正され、
翌2015年の7月1日から会計監査の免除事項が新たに追加されました。

【改正後に追加された免除事項】

 2014 年改正法では新たに小会社という類型が導入されました。
小会社に該当する場合は、会計監査義務が免除され、
会計監査に伴うコストを抑制することが可能となりました。

小会社に該当するのは、
事業年度を通じて非公開会社であり、
かつ
直近2会計期間のいずれかにおいて、
下記3つのうち2つ以上の条件を満たしている会社です。

  1. 年間の売上高が1000万SGD以下。
  2. 総資産額が1000万SGD以下。
  3. 従業員の数が50名以下。

つまり、今までは株主に法人が混じっていると、
会社の規模にかかわらず監査法人を任命することと、
年度末の会計監査は必須事項でしたが、
改正後は、株主が法人であっても上記の要件を満たせば
監査は免除されることになりした。

但し、上記の法人(シンガポール会社法では”small company”と表記をしています)が免除されるのは、会計監査のみで、監査法人の任命は依然必要となっています。

このあたりがとてもややこしく、混乱を招くのですが、

会計監査人の任命 会計監査
Exempt Private Company 必要なし 必要なし
Small company 必要あり 必要なし

と覚えておいてください。
実際ローカルの会計士さんの中にも、きちんと理解できていない人が、
とても多くてびっくりしました。(やっぱりシンガポールはファジーな国です)

実は、この件を直接ACRAに問い合わせたところ、
驚いたことに、ACRAでさえ、
最初はきちんとした返答をしてくれませんでした。

下記が最終的に得られた結論です。
登記の際は以前と変わらず、
1)株主が法人の場合は、登記から3か月以内に会計監査人を任命すること。
2)株主が個人で且つ20名以下の場合で、年間の売り上げが500万SGD以下の場合は、Exempt Private Limited CompanyとしてACRAに登録。
2)の場合は、監査役の任命も会計監査の必要もありません。

依然としてACRAの中でも、Small companyに関しての監査役の認識が浸透しておらず、
質問をしてもただただ、Small companyの条件を繰り返すだけです。

会計士がACRAに電話したら、監査役の任命はいらないと言われたとか…
本当に混乱を招きますね。

ただ、会社法の中では、「Exempt Private Limited Companyを除き法人登記後3か月以内に会計監査人を任命をする事」とあるので、
やはり監査人の任命だけはしておいた方が良いと思います。

事業規模は親会社を含めた連結ベースでの判断です。

ここで、厄介な事があります。
Small companyに関しての要件は、
親会社も含めた連結ベースで判断するということです。

つまり、日本などに親会社があり、
その親会社が株主となっている場合はシンガポール法人だけで判断できません。

日本親会社を含む連結ベースで判断しなければいけません。

親会社が大きければ、今まで通り、監査が必要となるわけです。
もともと、この会社法改正の意図は、
規模の小さな会社から会計監査を免除して、無駄な出費を省くことなので、
連結の会社が大きい場合には、従来と同様会計監査は必要という事です。

会計士事務所では、
会計監査が免除になっても安全の為、
会計監査は今まで通り行う事を推奨しますと謳っているところが多いです。

そうですよね、せっかくのお仕事が減ってしまいますから。

こうやってブログで皆さまにご報告をすることにより、
私の知識もアップデートされます。
アウトプットは良いことですね。

もちろん、きちんとしたソースからの情報収集を心がけております。


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