シンガポールに移住したら、住居は賃貸?それとも購入?

house

シンガポール法人税の最高税率は、17%
これは、アジアの中では、
マカオ、香港についで低い税率です。

個人の所得税も、
最高税率が2016年度からアップしたとはいえ、
依然、最高税率が22%という低税率。
日本と比べると、大きな差があります。

天災が殆ど無い地形、教育のレベルの高さ、
そして、この低税率のため、
富裕層の移住先として人気のシンガポールです。

でも、シンガポールは物価の高さでは世界ランキング上位の常連国です。
この物価の高さの原因は、一般消費財の価格と言うより
世帯消費の中で大きな割合を占める、高額な不動産や車の価格にあります。

車を所有するしないは、個人で選択することが出来ますが、
(実際、円換算で数千万以上の年収をもらっている、欧米金融系の駐在員の方々は
タクシーを利用して自家用車はあまり持たない傾向があるようです。)
住宅に関しては、やはりどうしても一定の出費を免れることはできません。

シンガポールへの移住をご検討の方にとっては、
当地の住宅事情は、結構気になるものではないでしょうか?

ということで、今回は移住に際し、住宅は購入してしまうべきか、
それとも賃貸するべきかについて、少しお話してみたいと思います。

目次

ところで、シンガポールの不動産価格って、一体いくらぐらいなの?

ここで、まずシンガポールの不動産価格について、ご説明させて頂きます。

ものすご~く大まかに言ってしまいますと、
現在あなたが東京都内のかなり人気のエリアの、
3LDKぐらいの間取りの物件にお住まいだと仮定し、
日本と同等の住環境を、シンガポールでも維持したいとします。

そうなると、シンガポールでの住宅購入予算は、
日本円で、最低でも2億円ぐらいは必要になるかもしれません。

ここでわかりやすいように、1つの物件を例にとってご説明いたします。

The Trillium

賃貸価格:$7,000~$7,800
広さ:1,700SQF から1,800SQF (約158~167平米)3LDK

販売価格:$3,000,000.00
広さ:1,399SQF (約130平米)2LDK

*同じ広さの物件を比較したかったのですが、
3LDKの物件の売買がここ半年ほど行われていないので、
資料がありませんでした。
ご了承下さい。

シンガポールの場合、販売価格を決める指標となるのが、
スクエアフィート(1SQF=0.0929平米)あたりの価格です。
これをもとに計算すると
賃貸価格が、S$7,000の物件の希望販売価格は、
S$3,570,000前後になると予想されます。

ということは、もし、3LDKが売り出しされたら、
販売希望価格は、日本円換算で2億8千万円ぐらい。

毎月の家賃が、55万円ぐらいで、購入価格が2億8千万。
利回にしたら、2%ちょっとです。

日本人の感覚では、そんな利回りの低い物件をなぜ購入するの?
ってなりますよね。

その理由は、
シンガポールでは、
不動産物件の販売価格が物件の新しさとは比例しないからです。

その時の景気に応じて、販売価格は割りと大きく上下します。
築何十年の物件でも、販売当時より高い値で売買取引されている物件が結構あります。

殆どのオーナーは、賃貸での利回りなのどはほぼ気にせずに、
あくまでも、物件の値上がりを見越したキャピタルゲイン狙いなのです。

こんな、高い不動産物件を購入する意味はあるの?

なんとなく、日本と違うことはわかった。
でも、そんな高い物件を購入するメリットはあるのかと
不思議に思っていませんか?

確かに、シンガポールの不動産は、
レンタルの利回りが低い、さらに購入価格が日本に比べて高い。
などなど欠点は沢山あります。

それでもこの不動産は、外国人(特に富裕層)にとって
依然人気の物件であります。

例えば、ご紹介させて頂いた、この「The Trillium
インドネシア人オーナーに人気の物件だそうです。

インドネシアと言えば、1997年のアジアの通貨危機で、自国の銀行が破綻。
何億円という資産を銀行に預けていた人が、預金の引き下ろしができず、
財産のすべてがなくなり、自殺する人もいました。
多くの資産家たちが、一瞬のうちに
全財産をなくしてしまうと言う恐ろしい経験をしています。

そんな彼らにとって、シンガポール不動産を購入するということは、
安全を確保するという意味が含まれています。

しかも、この物件賃貸としては超人気物件で、
空室率はかなり低いです。

だから、利回りはそれほど見込めなくても
家賃収入はとりあえず期待できます。

更に、何かあればすぐに売り出しをかけることも出来るので、
信頼のおけない、自国の銀行にキャッシュを預けているよりは
とても安全な資産保有方法だと、彼らは考えているのでしょう。

*ちなみにインドネシアの銀行金利は、結構な高利回りです。
でも、富裕層で自国の銀行に多額の預金をしている人は少ないのではと思います。

ということで、シンガポールの不動産は資産を安全に保有するという意味で
シンガポール人以外の外国人が購入することが多いのです。

蛇足ですが、この物件。
44%のオーナーが外国人だそうです。

少々趣旨から脱線してしまいましたが、
資産を安全に保有すると言う考えでは、
シンガポールに不動産物件を所有するというのは、
1つの方法だと思います。

また、シンガポールでは、
住居用の不動産の家賃は、会社の経費として計上ができません。
もちろん、
住居をオフィスとして使用している場合は、
家賃の1部をオフィス賃料とすることは出来ますが、
100%を経費計上することは出来ません。

となると、家を借りて高い家賃を払う理由があまり見つからないのです。
購入出来る余裕があれば、
やはり購入してしまうことをお勧めします。

シンガポールの不動産購入時に気をつけなければいけない事

但し、どんな物件でも購入していいかと言うと、
少し気をつけて頂きたい事があります。

少し前に、高級な物件(日本円で5億から8億ぐらいの物件!)の仲介をしている不動産業者から連絡をもらったことがあります。

何やら物件売り出しの際に、日本人の見学がとても増えているとか。
なので、そういう人がいたら紹介をしてくれないかと言うのです。

それまでは、日本人が直接現地のショールーム(当地ではショーフラットと呼びます)
に足を運ぶことはあまりなかったのですが、
どこかで日本人に超高級物件を勧めているのでしょうか?

もしご自身で、しっかりとシンガポールの市場を研究されての購入のご検討、
あるいはご自身で住む場所を探しているであれば、
5億円以上の物件を購入されても、何も問題はありません。

でも、周りの誰かから提案されて、投資目的での検討であれば、
このような物件は、絶対におすすめできません。

いくらシンガポールの不動産が高くても人気があるからと言っても
やはり、流通しやすい価格帯は存在します。

先にご説明した「The Trillium」でも、
3LDKの売り物件が市場になかなかでてこない事を、
ご説明させて頂きました。

これはなぜかと言うと、3LDKは賃貸が人気なので、
オーナーも別に物件を急いで売る必要が無いのです。

反対に売買にいつも登場するのは、4LDK

4LDKの平均賃貸価格はS$8,000 を上回っています。
その価格帯になってしまうと、
駐在員の賃貸マーケットから、ややはずれてしまうのです。

そうなると、賃貸を目論んで購入した人は、
中々借り手がつかないので、
物件を早々に手放すという事が起こるのです。

もっと高い物件になれば、状況は更に悪化します。
そもそも、月に100万円以上の賃貸料を払って物件を借りる人は
シンガポールといえども、それ程多くはありません。

そんな動きの少ないマーケットの物件を買ってしまったら、
販売するときにも苦労をするでしょう。

お勧め物件はとにかく、動きが活発な価格帯

購入の際、特にそれ程長く保有せずに
売りに出すことを念頭においているのであれば、
とにかく売りやすい物件を購入しましょう。

売りやすい物件とは、
ズバリ、賃貸市場でも活発に取引がされている物件です。

家賃相場で言えば、S$4,000 ~$7,500ぐらいまでが、
活発に取引されているマーケットです。

ご自身で住むことを考えると、
郊外に行かない限りはS$4,000では
中々良い物件を見つけるのは難しいです。

ということで、やはり販売価格が日本円相当で
最低でも2億円ぐらいの物件がお勧めと言う結論に達してしまいました。

今回のお話、参考になりましたでしょうか?

私には、売買は関係ない!という方は、
下記のブログで、賃貸価格についてはご説明させて頂いていますので、
ご興味のある方はそちらをご覧ください。

シンガポールの住宅の賃貸相場を各国と比較してお知らせしようと思った所、面白い事を発見しました。

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